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パブリック・イメージ・リミテッド(P.i.L.)『album (Super Deluxe Edition)』

パブリック・イメージ・リミテッド(P.i.L.)『album (Super Deluxe Edition)』

ジョン・ン率いるパブリック・イメージ・リミテッド(P.i.L.)は、2009年に活動再開後、自主レーベルを設立。権利関係をクリアにして自らでコントロールできるようになり、アーカイブプロジェクトを始動させた。その第一弾として、『Metal Box』と同時に1986年作『album』のデラックスエディションがリリースされた。

ワタシが持っているのは、CD4枚組のスーパーデラックスエディションになる。ディスク1は、オリジナルアルバムのリマスター盤。『Rise』は、ライヴではクライマックスを形成する曲のひとつだ。ディスク2が聴きどころで、1986年5月にのブリクストンアカデミーで開催されたライヴ音源になる。冒頭がなんと『Kashmir』のインストで、SEとして使用し、曲終わりにライドンが登場したとのこと。そして、『Poptones』のアウトロからの『Pretty Vacant』のイントロへとなだれ込む瞬間には、はっとさせられる。P.i.L.でもピストルズの曲を演奏しているのは知っているのに、だ。

ディスク3は、アウトテイクやBBCレコーディング、そしてアフリカ・バンバータとの共作『Time Zone』を収録。個人的にはライドンのソロベストなどで聴いているが、発表時期は『album』の頃だったことに、改めて認識させられた。ロックとヒップホップとの共演は今では当たり前だが、時期的に考えてライドンは他のアーティストに大きく先んじている。ディスク4は、デモバージョン集だ。

装丁は、ブックレット(「book」と明記)、ポストカード、ポスター(「poster」と明記)が同梱。ブックレットには、新聞や雑誌記事のコピー、ツアーグッズ、写真などが確認できる。ライドンとアフリカ・バンバータとの並んだ写真もあった。そういえば、当時はリリース媒体によって それぞれ『cassette』『compact disc』と表記されていた。

本作ではメンバーはライドンひとりで、ビル・ラズウェルをプロデューサーに迎え、多数のゲストを動員してレコーディングされたそうだ。スティーヴ・ヴァイやジンジャー・ベイカーなどで、も4曲に参加している。リリース後のツアーにあたっては新たにバンドメンバーを募り、ギターのルー・エドモンズ、ドラムのブルース・スミスは、再結成後のメンバーでもある。

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