パブリック・イメージ・リミテッド(P.i.L.)『Metal Box (Super Deluxe Edition)』
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最終更新日:2021/10/28
Public Image Limited(PiL) ジョン・ライドン, ロンドン
ジョン・ライドン率いるパブリック・イメージ・リミテッド(P.i.L.)は、2009年に活動再開後、自主レーベルを設立。権利関係をクリアにして自らでコントロールできるようになり、アーカイブプロジェクトを始動。その第一弾として、1979年12月作『Metal Box』のデラックスエディションがリリースされた。
ワタシが持っているのは、CD4枚組のスーパーDXエディションになる。ディスク1は、オリジナルアルバムのリマスター盤。『Albatross』『Swan Lake』『Poptones』『Chant』と、P.i.L.のキャリアを代表する曲が集約されている。ディスク2は、シングルのカップリング曲やBBCの音源集になる。ディスク3はミックス集で、10曲中8曲が未発表。ベースを中心にしたインストなど、曲が完成する前の過程を垣間見ることができる。
ディスク4は、1979年6月のマンチェスターでのライヴ。会場は、トニー・ウィルソンのファクトリー管轄のクラブとのこと。時期的に『Metal Box』リリース半年前になるが、既に収録曲を演奏しているのが興味深い。『Public Image』 では、まるでリハーサルのように何度もやり直していて、よく言えばリラックスしたバンドの状況が確認できる。
装丁は、ブックレット、ポストカード、ポスターが同梱。ブックレットには、新聞や雑誌記事のコピー、ツアーグッズ、写真などが確認できる。日本盤ライナーノーツによると、ライドン、ジャー・ウォブル、キース・レヴィンの三頭体制こそ強力だったが、ドラマーがなかなか固定できなかったとのこと。本作のレコーディングでは3人のドラマーを起用し、うち『Bad Baby』のみに参加したマーティン・アトキンスを正式メンバーとして迎えたそうだ。
ワタシは話に聞いているだけだが、当時バンド側の負担によって映画のフィルムを入れるアルミ缶に45回転アナログ盤3枚組としてリリースしたとのこと。ジョン・ライドンは、レコードのあり方そのものにも挑戦していた。1979年12月には、クラッシュが『London Calling』をリリースしているが、2枚組アルバムを1枚の価格で販売していた。あの時代、既成概念を打ち破らんとする気概を持ったアーティストたちがロンドンに集まっていたのだろう。
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