庵野秀明展に行ってきた
国立新美術館で開催されている、庵野秀明展に行ってきた。チケットは日時指定で平日午後にしたのだが、コロナ禍による規制もあるのか、入場時には列ができていて、10分くらいかかった。
展示は、4つのブースで構成されていた。ひとつめは、庵野が影響を受けた特撮ものやアニメがテーマ。東京タワーの模型やメカゴジラ、ウルトラマン、宇宙戦艦ヤマト関連の資料、ガンダム関連のセル画などが展示されていた。借用したものが多いだろうが、庵野の私物もこの中に含まれているそうだ。
ふたつめは、アマチュアからプロ初期の制作者時代。自らがウルトラマンを演じた映像は、当時の技術や庵野が学生だったことを思えば画期的だ。さまざまなロボットが入り交じるアニメは、手塚治虫の目に留まったそうだ。『風の谷のナウシカ』で、当時新人アニメーターだった庵野が宮崎駿に任されたのは、巨神兵復活シーンだった。『オネアミスの翼』は、公開時に劇場まで観に行っていたので、懐かしかった。
そして3つめのブースが、いよいよエヴァンゲリオンだ。残酷な天使のテーゼ』がリピートされ、作詞者及川眠子のサインが入った歌詞も展示されていた。エヴァの展示はこれまでにも何度か見ているが、今回は『シン・エヴァンゲリオン』の展示が加わっているのがポイントで、その最たるは第三村を再現したジオラマだ。ラストの宇部新川駅の写真もあって、風景は実写だが、人物はシンジとマリも含めてすべて作画だった。
最後のブースは、エヴァを経て取り組んだ実写映画だ。『キューティーハニー』『ラヴ&ポップ』『シン・ゴジラ』など。今後の予定としては、『シン・ウルトラマン』『シン・仮面ライダー』が控えている。こうして見ると、実写では強力な原作に題材を得て、リメイクあるいはリビルドしていることがわかる。エヴァの中にも、自分が影響を受けた作品へのオマージュは随所に組み込まれている。庵野は、自身を創始者というよりは継承者と位置付けているのかもしれない。
ワタシは上記のようにまとめたが、正確には2つめのブース後半に「新世紀」エヴァがあり、3つめのブースが実写映画と「シン」エヴァ、4つめが現在制作中の作品、そして最後に「謝辞」がある。
庵野秀明展は、12月19日まで開催中。映像と一部の展示物以外は、ほとんど撮影OKだ。
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