復讐するは我にあり(1979年)
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最終更新日:2021/10/05
邦画
昭和38年10月。前科4犯の榎津厳は福岡で2人を殺害して現金を奪い、その後も浜松で旅館を営む母娘を、東京では弁護士を殺害し、その都度詐欺を働いて逃亡する。逃亡先では大学教授や弁護士などのインテリを装い、また愛憎を繰り返していた。榎津は翌年1月に逮捕され、判決を受けて処刑される。
実際に起こった殺人事件を題材にした、小説の映画化になる。映像は榎津が逮捕される場面から始まり、取り調べを受けるところが断片的に流れる中、犯行や逃亡劇、更には榎津の少年時代までがピックアップされる。榎津の一家は敬虔なクリスチャンだったが、戦時中に父親が軍の圧力に負けて船を提供させられて以降、榎津は父親や神について疑念を抱くようになり、犯罪に走るようになったとされている。タイトルは新約聖書にある一節だそうで、「我」とは神のことだそうだ。
榎津を緒形拳、父を三國連太郎、妻を倍賞美津子が演じている。脇を固めるのは小川真由美、清川虹子、ミヤコ蝶々、フランキー堺など。監督は、故今村昌平だ。豪華な配役、殺害シーンは実際の場所での撮影、緒形拳の鬼気迫る演技など、非常に密度が濃い作品で、日本アカデミー賞ほかいくつかの映画賞を受賞している名作とされている。がしかし、全体を包むトーンは暗く、重苦しく、観ていてやりきれない気分にさせられる。
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