APPLESEED(2004年)
22世紀の未来、非核戦争後の世界に作られた理想都市オリュンポスに、女兵士デュナンは連れてこられる。オリュンポスに住む人の半分は、バイオノイドと呼ばれるクローンだった。かつての恋人プリアレオスは機械の体になり、またバイオノイドのヒトミによって、オリュンポスの街を紹介されるデュナン。オリュンポスを司るのはバイオノイドを創り出した複数の科学者の意思を凝縮したコンピューター「ガイア」と、ガイアと対話しながら指針を定める老人たちである。
老人たちは人類の未来を人ではなくバイオノイドに託す選択をし、人の生殖機能を止めるウィルスを流し、一方バイオノイドの生殖機能を発動させる「アップルシード」を行使しようとする。デュナンは失われた記憶を取り戻し、母がアップルシードの開発者であったことを思い出す。老人たちの決断がガイアを停止し自分たちの生命を賭けたものであったことを知ったデュナンとプリアレオスは、ウィルスが捲かれるのを阻止すべく奔走する。
全編がCGとアニメが融合した画像になっていて、その映像美には目を見張るものがある。人とクローンが共存しているという時代設定や、人類が生み出した科学が人類のあり方そのものをも左右しかねないというストーリーは、22世紀と言わずもっと早い時期に現実味を帯びてくるような気がしている。登場人物をはじめとする各種の名称はギリシャ神話を元にしているとのことで、ソチラの知識を備えていればもっと話を楽しめるかもしれない。
ワタシがこの作品を観ようと思ったきっかけは、音楽である。ブンブンサテライツが新曲4曲を提供したほか、坂本龍一やベースメント・ジャックスの名前も確認できる。必ずしも劇中でこれらの音楽が流れていたわけではないが、サントラの方も注目だ。
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EX MACHINA -エクスマキナ-(2007年)
人間とバイオロイドが共存する都市オリュンポスにおいて、特殊部隊ES.W.A.T.の隊員として