装甲騎兵ボトムズ サンサ
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最終更新日:2021/07/14
装甲騎兵ボトムズ
1983年から1年間放送された、『装甲騎兵ボトムズ』。放送終了後もOVAが多数制作される、熱狂的なファンを持つリアルロボットもの作品だ。テレビシリーズは全52話で、4つのフェーズから成り立っている。フェーズ毎に総集編としてOVAが制作されていて、『ウド』『クメン』編に続き、『サンサ』編を観た。
クメン王国内乱にメルキア軍が武力介入し、混乱の中キリコとフィアナは小型宇宙船にて脱出。しかし、いつのまにか2人は気を失ってしまい、気がつくと宇宙戦艦の中に取り込まれていた。艦内には、ほかに乗員はいなかった。2人だけの時間が続くと思いきや、突如ファンファーレが鳴り響き、スクリーンにはレッドショルダーによる殺戮の光景が映し出された。キリコは錯乱してしまう。
そこへ追撃をかけてきたのが、イプシロンおよび秘密結社の部隊だった。2人は付近の惑星サンサに降り立つが、そこはかつてキリコがレッドショルダー時代に作戦参加した惑星だった。イプシロンから逃れた2人は、ゴウトたちと再会。一方、ゴウトの仲間で家族をレッドショルダーに殺されたゾフィーは、執拗にキリコの命を狙う。
テレビシリーズの編集版としては3作目になるが、『ウド』はシーンの取捨選択に疑問、『クメン』に至ってはフィアナ全カットによりまるで彼女が全く関係していなかったかのような暴挙に出ている。それを思えば、『サンサ』編の編集はテレビシリーズのストーリーをほぼ歪めることなく凝縮している(先の2編よりも話数がすくないという追い風があったとはいえ)。
前半の宇宙戦艦内では、キリコとフィアナの距離感が一気に縮まり、SFロボットものとは思えないラヴロマンスになっている。戦闘兵器として改造や訓練を受けたフィアナの方が、キリコよりも人間らしいことが露呈するのが興味深い。そして終盤では、イプシロンとキリコとの戦いについに決着がつけられる。ロッチナがバッテンタインに更迭されたのを機にバララントの将校になり、これまでどちらかといえばギルガメス寄りで画かれていたのが、視点が少し変わってきている。
オープニングとエンディングの映像は、ジオラマではなく、といってテレビシリーズとも異なっている。つまりは、このOVAのために作られた新作映像になり、キリコにフォーカスを当てた映像になっている。
テレビシリーズよりも後に制作された『野望のルーツ』では、キリコは幼少期をサンサで過ごしていたという描写がある。
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