鳥獣戯画展に行ってきた
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最終更新日:2021/06/09
アート展
先日、上野の東京国立博物館で開催されている、鳥獣戯画展に行ってきた。大人気の展示で、日時指定のチケット争奪戦は激戦となり、即完売した土日は断念して平日の朝イチを押さえた。
展示は平成館で開催され、正門から少し歩いた奥の方に位置していた。2階に上がり、以降の混雑を予測して最初にグッズを購入。有料の音声ガイドを借りて、展示室に。
最初の展示である模写を経て、いよいよ「甲」「乙」「丙」「丁」の4巻へ。既にテレビなどで報道されているが、「甲」巻は動く歩道による観賞だった。ウサギとカエルをメインキャラとし、擬人化して水浴びをしたり将棋をさしたりしているさまが描かれていた。歩く歩道は画期的なアイディアで、前後の並びを気にすることなく、じっくりと展示物を観ることができた。
続く「乙」「丙」「丁」の3巻は、通常の展示。ざっくりと観れればいいと思い、列には並ばず遠目から観賞した。「乙」巻は麒麟など架空の動物が登場、「丙」巻は前半が人間、後半が動物の描写になっていた。「丙」巻は表裏に描かれたと思われていて、現在ははがして続き物の体裁に仕上げている。「丁」巻は、人間の描写になっていた。
後半の展示は、「断簡」といって、鳥獣戯画から欠損した部分の展示から始まった。前後の関連を想定して、断簡を本編につなげたイメージ図もあった。今後研究が進めば、より完全に近い形での展示が実現できるかもしれない。鳥獣戯画は京都の高山寺というお寺から出ているが、当時の和尚だった明恵上人関連の展示が、終盤の目玉になっていた。上人の像の内部にも巻物があることが、今年CTスキャンによってわかったとのことだ。
鳥獣戯画は、平安時代後期から鎌倉時代にかけて描かれたと想定され、誰が描いたかは不明。描いた人も、複数いるとされている。もちろん丁寧な修復処理がされたと思うが、1000年以上前の作品が今観られるというのは、すごいと思った。こんにちのマンガのルーツとしているのも、頷ける。
鳥獣戯画展は、6月20日まで開催される。チケット争奪戦は熾烈だが、入手できた人は楽しんできてください。個人的には、もともとゴールデンウイーク中のチケットを押さえていたのだが、緊急事態宣言による休館のため払い戻ししていた。会期の延長と休館解除により、なんとか観ることができてラッキーだった。
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