きっとここが帰る場所(2011年)
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最終更新日:2021/06/01
Talking Heads/David Byrne U2, デヴィッド・バーン, トーキング・ヘッズ
なんともぱっとしない、記憶しづらい邦題だが、原題は『This Must Be The Place』となっていて、特に音楽ファンには楽しめ、かつ突っ込める映画だ。
元ロックアーティストのシャイアンは、ダブリンの邸宅で妻とつつましく暮らしていた。そこへ、30年以上やりとりのない父が危篤との知らせを受ける。飛行機嫌いのシャイアンは船でアメリカに向かうが、父の臨終には間に合わなかった。そこへきて、ユダヤ人の父が生前元ナチスの一員だった男を探していることを知り、その男を探してアメリカを旅することになる。
説明を極力廃し、観る側に解釈を委ねる手法で、正直に言ってこの手の作品を1度観ただけで理解するのは難しい。数年後に観て、ああそういうことだったのかと感じられるのかもしれない。
ただ、ストーリーの本流とは別に、音楽にかかるところでかなり楽しめる。シャイアンを演じるはショーン・ペンだが、ぼさぼさ頭にゴス調のファッションは、どう見てもロバート・スミスだ。シャイアンを慕う近所の少女を演じているのは、u2のボノの娘だ。
そして極めつけは、デヴィッド・バーンが本人役で出演していることだ。『This Must Be The Place』の演奏シーンがあり、また、シャイアンが旅先で知り合う女性の子供とこの曲をギター弾き語りで「共演」する。子供はアーケイド・ファイヤの、と言ったところで、シャイアンはすかさずトーキング・ヘッズだと訂正する(笑)。そう、原題はまさにこの曲名から引用されているのだ。監督は、どんだけこの曲が好きなんだ(笑)。
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