きっとここが帰る場所(2011年)
公開日:
:
最終更新日:2024/12/19
Talking Heads/David Byrne U2, ショーン・ペン, デヴィッド・バーン, トーキング・ヘッズ
なんともぱっとしない、記憶しづらい邦題だが、原題は『This Must Be The Place』となっていて、特に音楽ファンには楽しめ、かつ突っ込める映画だ。
元ロックアーティストのシャイアンは、ダブリンの邸宅で妻とつつましく暮らしていた。そこへ、30年以上やりとりのない父が危篤との知らせを受ける。飛行機嫌いのシャイアンは船でアメリカに向かうが、父の臨終には間に合わなかった。そこへきて、ユダヤ人の父が生前元ナチスの一員だった男を探していることを知り、その男を探してアメリカを旅することになる。
説明を極力廃し、観る側に解釈を委ねる手法で、正直に言ってこの手の作品を1度観ただけで理解するのは難しい。数年後に観て、ああそういうことだったのかと感じられるのかもしれない。
ただ、ストーリーの本流とは別に、音楽にかかるところでかなり楽しめる。シャイアンを演じるはショーン・ペンだが、ぼさぼさ頭にゴス調のファッションは、どう見てもロバート・スミスだ。シャイアンを慕う近所の少女を演じているのは、u2のボノの娘だ。
そして極めつけは、デヴィッド・バーンが本人役で出演していることだ。『This Must Be The Place』の演奏シーンがあり、また、シャイアンが旅先で知り合う女性の子供とこの曲をギター弾き語りで「共演」する。子供はアーケイド・ファイヤの、と言ったところで、シャイアンはすかさずトーキング・ヘッズだと訂正する(笑)。そう、原題はまさにこの曲名から引用されているのだ。監督は、どんだけこの曲が好きなんだ(笑)。
関連記事
-
David Byrne Art Exibition(2010年12月)
ミック・ロックの個展「DAVID BOWIE by MICK ROCK」は原宿のVacan
-
トゥルー・ストーリー(1986年)
テキサス州の架空の町バーゼル。カウボーイスタイルに身を包んだ謎の男が案内役になり、町で起こる
-
クロノロジー~グレイト・ライヴ1975-2002/トーキング・ヘッズ(TALKING HEADS – CHRONOLOGY)
トーキング・ヘッズの歴史をライヴの視点から捉えたDVDを観た。 デビュー前の若干画質に
-
アメリカン・ユートピア(ネタバレ注意)
デヴィッド・バーンのライヴをスパイク・リーが監督を担った映画、『アメリカン・ユートピア』。タ
-
トーキング・ヘッズ(Talking Heads)『Stop Making Sense(DVD)』
トーキング・ヘッズの、という枠を超えてロックDVDの名盤となっている『Stop Making