ドアーズ(映画・1991年)
ドアーズ、及びそのフロントマンであるジム・モリソンの半生を描いた伝記映画『ドアーズ』を観た。
映画科の学生ジム・モリソンは、既にバンド活動をしていたレイ・マンザレクにその才能を買われる。やがてドラムのジョン・デンスモアやギターのロビー・クリーガーなども揃い、4人はドアーズを結成。タブーに切り込んだ歌詞や破天荒なステージで話題となり、やがてレコードデビューを果たす。詩的な歌詞とジャンルを横断した音楽にはインパクトがあり、特にジムの存在は圧倒的になる。しかしその一方で、エド・サリヴァン・ショー出演時には歌詞を変えるよう言われるもそのまま歌ったり、泥酔してライヴに臨んでは客を挑発したりと、ジムの言動や行動には更に拍車がかかる。
監督はオリバー・ストーンで、公開当時は賛否分かれた。ワタシも、当時観たときはなんじゃこりゃという感想が脳内を占めていた。それは、ドラッグとアルコールと女性に溺れ、行動が徐々にエスカレートし末期は狂人のように描かれていたジムと、その恋人パメラを中心に観てしまい(実際この2人が中心なのだが)、あっさりとしたジムの最期に拍子抜けしてしまったからだ。ジムをヴァル・キルマー、パメラをメグ・ライアンが演じていたのだから、そちらにばかり注目してしまったのも仕方ないか。
がしかし、その後いくつかの補足情報を知りえた上で改めて観直してみて、少し受け止め方が変わった。レイ・マンザレクはこの映画への協力を拒否し、酷評している。しかし、ジョン・デンスモアとロビー・クリーガーはこの作品に音楽で制作参加していて、演奏シーンが引き締まっているのはそのためだと思う。また、ビリー・アイドルがジムの友人役でわずかながら出演しているのも、ちょっぴり嬉しい。レイ・マンザレクをカイル・マクラクランが演じていたのも、初見のときは気づかなかった(汗)。
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