ジェントルメン(ネタバレあり)
大麻の栽培と売買で財を成したミッキーは、引退とビジネスの譲渡を決意。中国系マフィアの誘いを軽くいなすが、その後自身が所有する大麻の工場が格闘家集団トドラーズに襲撃され、ネットに動画がアップロードされる。しかし、彼らの面倒を見ているコーチはすぐに動画を削除させ、ミッキーへの協力を申し出る。
ミッキーは、プレスフィールド卿からヘロイン漬けの娘を連れ戻すよう依頼される。娘の説得には成功するが、ヘロイン仲間が転落死してしまう。目撃者は全て封じたつもりだったが、探偵のフレッチャーがその様子を撮影していた。フレッチャーは、ミッキーの参謀格のレイモンドに証拠を突きつけ、元の依頼主であるタブロイド紙編集長よりも高値で買い取るよう迫る。
中盤まではフレッチャーとレイモンドとの会話劇になっていて、話題の中で時間軸をさかのぼり描写するという構成だ。序盤はどうなっているのかよくわからなかったが、観ているうちにああそういうことかと飲み込めてくる。
キャストは、ミッキーをマシュー・マコノヒー、レイモンドをチャーリー・ハナム、フレッチャーをヒュー・グラント、コーチをコリン・ファレル。監督はガイ・リッチーだ。ヘロイン漬けの娘は、なんとスティングの実娘だそうだ。
主人公はミッキーだが、最も露出が多いのはレイモンドだ。同じくガイ・リッチー監督の『キング・アーサー』では、主演したものの興行的に惨敗し、評価も得られず、と、苦い思いをした人だ。しかしここでは、ミッキーに忠誠を尽くし、やるときはやるという気概も見せ、かなりの儲け役になっている。
ヒュー・グラントは、『パディントン2』での草臥れた役はかなり衝撃だったが、今回は頭は切れるがクセが強くずる賢い役どころで、メインキャストの一角に戻ってきた感がある。コリン・ファレルは、メガネにヒゲにジャージ姿で、エンドロールまでわからなかった(汗)。そしてマシュー・マコノヒーだが、裏社会の大物を力まずナチュラルに演じているように見えた。
ガイ・リッチーは自らも格闘技を習っているので、トドラーズのところは自身の趣味を出したのではと思わせる。以前自分が監督した『コードネームU.N.C.L.E.』のポスターもラス前に確認できる。他にも、小ネタが仕込まれているような気がする。ラストはレイモンドがフレッチャーに一泡吹かせるのだが、そこでジャムの『That's Entertainment』 が流れ、エンドロールに切り替わる。
中国系マフィアがラスボスと取引する場が、エミレーツ・スタジアムだった。個人的に、はじめてロンドンに行ったときに足を運んだところなので、観ていて少しテンションが上がった。
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