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ウォールストリート(2010年)

ウォールストリート(2010年)

若きやり手証券マンのジェイコブは、婚約者ウィニーと順風満帆な生活を送っていた。それが、突如自分が勤める投資銀行の破綻に出くわし、資産を失う。そればかりか、彼にとっても父親のような存在だった経営者ルーが自殺してしまった。ジェイコブは、業界の大物にして、ルーを間接的に自殺に追いやったブレトンへの復讐を誓うべく彼に接触。また、ウィニーの父ゴードン・ゲッコーとも接触し、業界のノウハウについてアドバイスを請う。ゲッコーは疎遠になっていた娘との仲を取り持ってもらうことと引き換えに、ジェイコブを後押しする。

ゲッコーを、ジェイコブをシァイア・ラブーフ、ジェイコブの母をスーザン・サランドンが演じている。マイケル・ダグラスは当時は恐らく癌で闘病中だったはずだが、さすがの懐の深い演技を見せている。は、『インディ・ジョーンズ』『トランスフォーマー』での好青年から一歩前に出た、腕は立つがどこか若さと甘さの残る役どころを演じている。ウィニーを演じた人は当時誰だかわからなかったが、キャリー・マリガンだった。ショートヘアがあまり似合わず、役柄としても演技としても、好感は持てなかった。ブレトンはジョシュ・ブローリンで、ワタシがこの人を観たのは、恐らく本作がはじめて。その後『メン・イン・ブラック3』『L.A.ギャング ストーリー』『デッドプール2』、そして『アベンジャーズ』のラスボスであるサノスと、躍進ぶりが目覚ましい。

この作品単独でももちろん楽しめるが、87年制作の前作『ウォール街』を観ていると更に楽しめる。前作では、自身もインサイダー取引で罪に問われたバド・フォックスが、司法取引によってゲッコーのインサイダー取引の証拠を掴んだところまでで終わっているが、前作と本作との間の設定はこうだ。ゲッコーは、5年間の裁判を経て8年の懲役となる。浮気も発覚し、家庭は崩壊。前作では幼児だったゲッコーの息子は、ドラッグに溺れて亡くなったことに。ウィニーは前作には全く登場していないので、裁判中に生まれたのだろう。妻とは離婚し、ウィニーには恨まれている。

刑務所から出所するところから、本作は始まっている。所持品返却で当時のデカい携帯電話を渡されるところは、劇場公開時の予告編でも使われていた。バドつまりチャーリー・シーンも、本作中でちゃっかり登場。また、バドにマンションを紹介した不動産のミセスは、今回、ジェイコブがマンションを売り払う仲介人として登場する。主題歌も、前作と同じの『This Must Be The Place』。エンディングクレジットも、前作と同様登場順だった。

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