ニルヴァーナ(Nirvana)『In Utero 20th Anniversary Edition』
1993年にリリースされた、ニルヴァーナのサードアルバム『In Utero』。2011年の『Nevermind』記念盤と同様、2013年に20周年記念盤がりりーすされた。ワタシが持っているのは豪華盤で、CD3枚プラスDVDという内容だ。
アナログサイズの装丁は、外箱にプリントされた羽のついた人体模型に凹凸ができている。ブックレットには、当時の宣材写真、レコーディング時と思われるメンバーの写真、アルバムからリリースされたシングルのジャケットも見ることができる。当時のポスターも、同梱されている。
CDについて、ディスク1は、オリジナルアルバム12曲のリマスターに、シングルのBサイドやボーナストラックが付加。『Heart Shaped Box』のカップリングだった『Marigold』は、ニルヴァーナ時にデイヴ・グロールが作曲した唯一の曲で、フー・ファイターズになってからライヴで演奏されている。ディスク2は、プロデューサーのスティーヴ・アルビニがこの豪華盤のためにリミックスした2013年バージョンと、デモ音源。ディスク3は、1993年12月にシアトルで行われたライヴのフル音源だ。
DVDのディスク4は、ディスク3のライヴの映像版だ。MTVの番組『ライヴ&ラウド』のために収録されたが、放送は40分の短縮版だったとのことだが、ここにはフルで収録(約1か月前にMTVアンプラグドに出演し、こちらは早くにCDとDVDでリリースされている)。まず目を引くのが、メンバーの立ち位置だ。『Nevermind』のツアーまでは、カート・コバーンが向かって右、クリス・ノヴォゼリックが左だった。それが『In Utero』ツアーからは、パット・スメアがサポートギタリストに加わったことで、パットが向かって右、カートが左、クリスは真ん中になっている。
パットが加わったこともあってか、ステージ上のカートには余裕があり、より歌に集中できて、ノイジーなギターソロも増えている。クリスは2人にはさまれてはいるが、それまで以上に巨体を大きく動かしながらベースを弾いている。そして、クリスの真後ろになってしまったデイヴは、あまりよく見えない。セットリストは当然『In Utero』からが中心となるが、アンプラグドでもカヴァーしていたデヴィッド・ボウイの『The Man Who Sold The World』のエレクトリック版はとても新鮮。ボウイは95年から96年のツアーでこの曲を取り扱っているのは、ニルヴァーナの影響もあるかと思っている。そして、看板曲『Smells Like Teens Spirit』ははずれている。
DVDには特典映像もあって、こちらも興味深い。『ライヴ&ラウド』のリハーサル、ヨーロッパツアー時のテレビ番組出演での演奏が収録。ラスト3曲はドイツのミュンヘンでのテレビ出演で、これがカートにとって最後のパフォーマンスになったそうだ。
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