ニルヴァーナ(Nirvana)『Nevermind 20th Anniversary Edition』
ニルヴァーナの代表作であるだけでなく、1990年代を代表するロックアルバムの1枚、『Nevermind』。1991年リリース作だが、2011年に20周年記念盤がリリースされた。ワタシが持っているのは、CD4枚プラスDVDという豪華盤だ。
アナログサイズの装丁は、外箱の中央は透明フィルムに赤ん坊がプリントされていて、中のパッケージがプールの水中のみという作りになっている(反対側がオリジナルジャケットと同じプリント)。ブックレットには、当時の宣材写真や、アルバムからリリースされたシングルのジャケットも見ることができて、そういえばシングルはこんなだったなと思い出した。当時のポスターも同梱されている。
CD4枚について、ディスク1は、オリジナルアルバムのリマスターに、シングルのBサイドやライヴ音源が付加。ディスク2は、本作のプロデューサーでもあるブッチ・ヴィグのスタジオでのリハーサル「スマート・スタジオ・セッションズ」の音源や、「ブームボックス・リハーサルズ」と題されたラジカセ音源、そしてBBCセッションの音源を収録。「スマート・スタジオ~」は90年4月と、まだ『Bleach』のツアー時に行われ、ドラマーはチャド・チャニングスだった。「ブームボックス」は音質劣悪だが、その分バンドの演奏の生々しさとDIY感が伝わってくる。ディスク3は「ザ・デヴォンジャー・ミックス~」と題されていて、オリジナルアルバム11曲の初期ミックスバージョンだ。
ディスク4とDVDは、1991年10月のシアトルのパラマウントシアターという会場でのライヴを収録。注目はDVDの方で、蔵出し映像にありがちな劣悪画質でもなく、ブレもなく、スイッチングも効いている。つまりはちゃんと撮影された映像で、バンド活動時にリリースされなかったのが不思議なくらいクオリティーは高い(後に、輸入盤DVDで単品販売されている)。 時期としては、『Nevermind』リリース1ヶ月後にあたり、しかも彼らの地元シアトルということで、ファンの熱狂ぶりも尋常ではない。『Smells Like Teens Spirit』のイントロのリフを、カートがかき鳴らした瞬間の騒ぎようと言ったら、凄まじい。また、この2年後にリリースされる『In Utero』収録の『Rape Me』が既に演奏されているのも興味深い。
ステージに立つ、カートとクリス・ノヴォゼリックとの身長差がありすぎるが、調べてみたらカート175センチ、クリスはなんと2メートル1センチだった。つまり、決してカートが小柄なわけではなく、クリスがデカすぎるのだ。ドラムはデイヴ・グロールだが、ここではさすがにこんにちのフー・ファイターズとしてのご活躍ぶりを見出だすのは難しい。この時点では、表現者としては、クリスやデイヴよりもカートがずば抜けていると思うし、何でもできてしまうような勢いが感じられる。
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