ニルヴァーナ(Nirvana)『MTV Unplugged In New York(DVD)』
ニルヴァーナが出演したMTVのアンプラグドは、93年の秋に放送されている。音源の方はカート・コバーンが死んだ年にリリースされたが、映像の方が昨年秋にDVDリリースされた。
このDVD、MTVでのオンエアではカットされていた部分も収録した、言わば完全版である。『Sweet Home Arabama』をサワリだけ演奏して見せたり、カートがタバコを吸ったり(アメリカでは、タバコを吸う場面にも規制が入ると聞いている)、メンバー間での会話や間近に陣取る客と会話したりする場面などが確認できる。MTV放送版は完全版より約20分短く、こちらはエクストラ扱いで収録されている。
ワタシはCDの方は聴いていたが、映像をしっかり観るのはこのDVDがはじめてだった。メンバーはニルヴァーナの3人のほか、チェリストとパット・スメアによる5人編成。この頃のパットは髪も黒く、そして細身である。『Skin And Bones』でのパットはかなり太っていて髪も金髪で、アジャ・コングのような風貌になっていたので(笑)、その変貌ぶりにとてもびっくりした。パットだけでなく、デイヴ・グロールも今よりは細身だ。選曲はカヴァーが多く、それもメジャーなのはデヴィッド・ボウイくらいで、他はレッドベリーやミート・パペッツなど、カートの趣向がにじみ出た格好になっている。
エクストラには、番組を振り返るスタッフや客の声を集約したミニ番組、及びリハーサルの模様が収録されている。リハーサルはマイクチェックやスタッフ・メンバーとのやりとりなど、ライヴの前にふつうに行われているのを収めただけだが、今となっては貴重な記録だ。ステージの周囲にはユリの花とロウソクが配されていて、これは「葬式」をイメージしたとのことだったが、カートの死によって、観る側としては複雑な思いにさせられる。
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