プレシディオの男たち(1988年)
サンフランシスコのプレシディオ陸軍基地。夜間見回り中の、女性憲兵が射殺される。犯人は、追手の警官も射殺して逃走。基地とサンフランシスコ市警は、合同で捜査を開始する。市警の担当刑事オースティンは、かつて同基地の憲兵だった。そして基地側担当は、かつてのオースティンの上司コールドウェル中佐だった。
オースティンは、相手に問題があったものの大佐を殴ってしまったことがあった。コールドウェルは理由はともあれ上官を殴ったことを非難したため、オースティンは陸軍を辞めていた。そんな過去もあって捜査でも2人は噛み合わず、何度も衝突する。更に、オースティンはコールドウェルの娘ドナと交際するようになる。
終盤こそ犯人との銃撃戦になるが、その直前までは事件の捜査を通してオースティンとコールドウェルとのやりとりが中心に描かれる。結局、事件が解決するまで2人が協力することはなかったと思う。2人はそれぞれに手がかりを探して掴むが、それが当たっていたりはずれていたり。もっと協力しあえば、事件は早く解決に向かっていたのではと思ってしまう。また、オースティンとドナとの交際は、あまり重要には思えなかった。
コールドウェルを、ショーン・コネリー。この前作には『アンタッチャブル』に出演してさまざまな賞を受賞し、この後にも『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』『レッド・オクトーバーを追え!』などの出演が続く。ドナは、メグ・ライアン。『トップガン』で顔と名を売ることに成功し、この後には『恋人たちの予感』でブレイク。つまり、ふたりにとってはキャリア上重要な時期に当たるのだが、それからすると、この作品は見栄えが劣る。
作品の出来が今イチになっている責任を、この人にかぶせるのは気の毒だろうか。オースティン役の、マーク・ハーモンだ。この人のキャリアを見る限り、映画ではこの作品以外に代表作が見当たらなかった。ルックスはちょっとトム・クルーズに似ていて、少なくともこの作品では曲がったことが嫌いな熱血漢の刑事を好演している。
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