家なき子(アニメ版)
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最終更新日:2021/03/16
東京ムービー新社
安達祐実が主演した実写版もあり、また90年代にリメイクもされたらしいが、個人的には『家なき子』といったら70年代のアニメ版だ。
フランスのバルブラン一家で優しい母と暮らしていたレミは、実は捨て子だった。養父ジェロームは、金欲しさに8歳のレミを旅芸人ビタリスにレミを売る。ビタリスは芸だけでなく文字の読み書きや人としての誇りなどを教え、レミの人格形成に大きな影響を与えるが、吹雪の夜にレミをかばうようにして凍死してしまう。
物語は、不幸と幸福が交互に訪れる。白鳥号のミリガン夫人とアーサー、アキャン一家などの人たちには救われ、バイオリン弾きのマチヤとは最後まで旅を続ける親友になる。レミはバルブラン・ママに再会し牛をプレゼントするが、そこで本当の両親がレミを探していることを知らされる。実は、ミリガン夫人が実母、アーサーは実弟だった。
個人的に見ごたえがあったのは、全51話のうちの49話だ。ミリガン夫人一行がバルブラン家を訪れ、レミの産着にミリガン家の紋章があるかを確認し、それで夫人はレミが我が子とわかる回になる。つまり、生みの母ミリガン夫人と、育ての母バルブラン・ママの2人が、ここではじめて対面する。
ミリガン家は高貴な一族ゆえ、夫人はもともと気高く品のある人だが、決して裕福とは言えない暮らしをしていたバルブラン・ママも、夫人に劣らず気品に満ちている。そしてお互いがお互いを認め、思いやっている。母としても女性としても、甲乙つけがたい魅力的な2人なのだ。
ナレーションが宇野重吉、主題歌が沢田亜矢子と、なんとも豪華だ。制作は、トムズ・エンターテイメント(当時は東京ムービー新社)。『エースをねらえ!』『宝島』なども手掛けていて、声優陣は、シャッフルされてはいるが結構かぶっている。中でもユニークと思うのが、主人公レミと、将来レミと結婚するリーズ・アキャンの2人。声優は、『エースをねらえ!』では、親友愛川マキと主人公岡ひろみになっているのだ。
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