ブッダ
手塚治虫の作品は、代表的なものはだいたい読んでいるつもりだが、読んでいないもののひとつに『ブッダ』があった。
紀元前4世紀頃、インドの中の小国の王子として生まれたシッタルダは、少年時から身分の違いによる差別や人の生死について考えていた。結婚し息子が生まれた日に王位につくが、その日に城を出て修行の旅につき、僧侶の道を目指す。
キリスト教にも仏教にも明るくないワタシではあるが、『ブッダ』は仏教の開祖であるブッダ(目覚めた人、の意味だそう)を知る格好のテキストにもなっている。ブッダの脇を固める弟子たちは架空の人物が多いとのことで、事実と創作が混在しているとは思うが、それでも知りえた情報の方が大きい。
たとえば、仏教よりもヒンズー教の方が古く歴史があり、その身分制度「カースト制度」によって、奴隷は特に阻害を受けていたこと。シッタルダが小国とはいえ王子で、そして体が弱かったこと。シッタルダは苦行に否定的で、実利的だったこと。病人を直すのは、祈りではなく医術だとしている。これは、手塚自身が医師免許を持っていたことも関係しているかもしれない。
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