009 RE:CYBORG(2012年)
2013年。世界各地で高層ビルを破壊するテロ事件が頻発。テロ実行犯のうち何人かは「彼の声を聞いて」と言っていた。かつて地球を守った9人のサイボーグ戦士たちは、それぞれ自分の国に帰っていたが、ギルモア博士が再び9人を召集する。009/島村ジョーは、3年毎に記憶を消去されて高校生として暮らしていた。
石ノ森章太郎原作マンガ『サイボーグ009』の何度目かのアニメ化だが、今回は原作をアイディアの源として位置付けているだけだ。なので、原作や過去のアニメを知っていて観ると、かなりの違和感がある。まず、9人やギルモア博士の顔が違う。また、それぞれの能力も変わっている。005/ジェロニモ・ジュニアは怪力のみだったのが、思念波のような能力を使っている。002/ジェット・リンクに至っては、マクロスのバルキリーのように足が変形して空を飛ぶ。
設定をいろいろ変えているのは、2013年という今の時流に合わせたことも関係している。がしかし、003/フランソワーズ・アルヌールが、アクティブな性格になったのはともかく、エロくなってしまっていたのにはびっくり。キスシーンはともかく、下着姿でジョーに迫る場面は必要だっただろうか。
原作へのオマージュがなかったかといえば、そうでもない。「彼の声」というのが、実は特定の誰かや組織ではなく神の意思で、誰の心にも宿りうるものという観念的な位置付けにしている。原作にも、神が人間と地球を粛清しようとする章がある。クライマックスでの流れ星(ジョーとジェット)は「地下帝国ヨミ編」のラストを思い起こさせ、その後の復活は「超銀河伝説」での004/アルベルト・ハインリヒの生還に酷似している。
2012年の劇場公開は、2D版と3D版の2種類でされていて、ワタシは3D版で観た。アニメの3D版を観るのははじめてで、変に作り込まれた感じがなく、ナチュラルでクオリティーが高かった。ジョーが住んでいて、ジェロニモとフランソワーズと再会を果たすのは六本木ヒルズだが、展示を観に何度も行っているところなので、よりリアルに思えた。
ジェットが、ブラックベリーを使っていた。
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