ゼロ・グラビティ(2013年)
公開日:
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最終更新日:2021/01/26
SF ケイト・ブランシェット, サンドラ・ブロック
スペースシャトルで船外活動をしていた、医療技師のライアン・ストーン博士。そこへ、ロシアが自国の衛星を爆破したことで大量の宇宙ゴミが散乱し、ライアンは宇宙空間に投げ出されてしまう。同じく投げ出された指揮官コワルスキーは指示を出し続け、やがてライアンの体を自分と固定させる。
スペースシャトルも宇宙ステーションも破損してしまい、このままでは地球への帰還は難しい。しかし中国の宇宙ステーションは稼動していて、2人はそこを目指すのだが・・・。
ライアンをサンドラ・ブロック、コワルスキーをジョージ・クルーニー。登場するのはこの2人だけだ。あとはヒューストン管制センターからの音声や、たまたま拾った地球のラジオの音声といった、声だけの出演があるくらい。船外活動は3人で行っていたのだが、あとひとりは宇宙ゴミの直撃を受けて即死している。
やたらと評価が高く、特にサンドラ・ブロックは公開直後からアカデミー主演女優賞候補との呼び声も高かった。確かに、恐怖や孤独と戦いながら生への執着を見せる彼女の演技は感動的だし、知らず知らずのうちに応援してしまっている。
静かで無に近い世界、地球の大陸や光(人間が暮らしていることの証だと思う)が眼前に広がる光景は、まるで宇宙遊泳を疑似体験しているような感覚がある。一方、ライアンが宇宙空間に放り出されてしまったときのどうしようもない無力さや恐怖感も、ひしひしと伝わってくる。
だからこそ、細かい部分のリアリティを追求すべきだったと思う。ふつうに考えて、宇宙飛行士として宇宙に出るまでには何年も訓練を積んでいるはずで、宇宙空間に放り出されたり、宇宙服内の酸素が少なくなったとしても、パニックになどならないはずなのだ。宇宙服の着脱も、簡易にやりすぎているし。
アカデミーには、計10部門がノミネートされた。サンドラ・ブロックは、アカデミー主演女優賞にノミネートはされたが、受賞はなし(ケイト・ブランシェットが「ブルージャスミン」で受賞)。アルフォンソ・キュアロンの監督賞をはじめ計7部門を受賞し、このときのアカデミーの最多受賞を記録している。映像の美しさは、確かに圧巻だった。
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