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四人囃子『FULL-HOUSE MATINEE』

公開日: : 最終更新日:2021/01/16 四人囃子

四人囃子『FULL-HOUSE MATINEE』

1970年代に活動していた日本のロックバンド、四人囃子。前期はプログレ、後期はニューウェーブに接近したが、1979年に活動休止。90年代以降不定期にライブを行っているが、1989年に期間限定で活動再開していたことがあった。そのライブ映像『FULL-HOUSE MATINEE』が、2019年にDVD化。長らく入手困難な映像だったが、やっと観ることができた。

会場は、バブル期象徴の一角を占めるMZA有明。客席側があまり映らないので広さがよくわからないが、後継のディファ有明のサイトを見たところでは、2000人弱のキャパシティとのことだ。

レーザー光線が飛び交う中を、このときのメンバーであるドラム岡井大二、キーボード坂下秀実、ギター佐久間正英がスタンバイ。このときリリースした新譜『Dance』のタイトル曲を、佐久間がリードヴォーカルを取ってライブがスタート。前半は『Dance』からの曲を中心に演奏し、この再結成が回顧に終始せず、この時点で新たにできることの追究でもあることを示していた。佐久間はともかく、岡井がドラムを叩きながら歌うさまは新鮮だった。

四人囃子の映像はそもそも貴重だが、ある意味このDVDのハイライトとも言えるのが、中盤での『NOCTO-VISION FOR YOU』『ハレソラ』で、ここで佐藤ミツル登場。個人的に21世紀の再結成は何度かライブを観ているが、このときのヴォーカル/ギターは初代の森園勝敏だった。中~後期ヴォーカルの「動く」佐藤を観るのは、これがはじめてだった。アルバムで聴くのと変わらない、抜けがよくパワフルなヴォーカルだった。

ライブ中盤では佐藤に替わって森園が登場し、初期ナンバーの演奏となる。そして再び『Dance』からの曲演奏へとシフトし、コーラスや女性ベーシストなどのゲストを加えた、厚みと躍動感のある演奏を繰り広げた。

日本のアーティストのDVDパッケージには、ブックレットがないか、あってもクレジットのみの簡易なものに留まることが少なくない。しかしこのパッケージでは、VHSリリース時のものに加え、今回のDVD化に際して新たに書きおこされたライナーノーツが同梱されていて、当時の状況を伺い知ることができた。客席には、初代ベーシスト中村真一の姿もあったそうだ。

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