ビギナーズ(1986年)
1950年代のロンドン。カメラマン志望のコリンは、恋人でデザイナー志望のスゼットとケンカしてしまい、彼女はファッション界の実力者ヘンリーと結婚してしまう。一方コリンは、自分の写真を気に入ってくれた実業家ベンティスによってチャンスを与えられ、テレビ番組にも出演する。
コリンが住むリトル・ナポリは、黒人や貧困層らが住む地区だった。そこへ、レイシストのグループが押し寄せてきて暴れ出す。しかし、そのバックにはヘンリーやベンティスがついていて、土地の奪取を目論んでいた。
コリンはエディ・オコーネルという人で、調べた限りでは本作以外の経歴が見つけられなかった。スゼットはパッツィ・ケンジットで、当時はエイス・ワンダーのヴォーカリストだった。ミュージシャンと並行して、女優業もやっているのは知っていた。後々、リアム・ギャラガーと結婚し離婚。レノンの生母でもある。ベンティスがデヴィッド・ボウイで、主題歌『Absolute Beginners』も歌っている。
劇中で突然曲が始まり出演者が歌い踊り出すミュージカル映画は、以前は苦手だった。しかし、パッツィの見せ場あり、コリンの父親役のレイ・デイヴィスが『Quiet Life』(初のソロ名義の曲とのこと)を歌ったりと、違和感なく受け入れられ、かつ見どころだと感じている。BGMにスタイル・カウンシルの『Have You Ever Had It Blue』が流れたり、クラブのシンガー役でシャーデーが出ていたりと、音楽映画としてはかなり楽しめる。
後半には人種差別というシリアスなテーマが前面に出てくるが、前半は長尺のミュージックビデオを観ているような感覚に。監督は、アーティストのPVや映画を数多く手がけているジュリアン・テンプルだった。
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