「長岡秀星回顧展 SPACE FANTASY -透明な宇宙を求めて」に行ってきた
イラストレーター・画家の長岡秀星の回顧展が代官山ヒルサイドフォーラム(蔦屋書店の少し手前にあり)で開催されており、観に行ってきた。
長岡は海外を拠点とし、手がけた作品は世界的に評価されている。展示物は科学雑誌の表紙などで、表現されているのは宇宙的・未来的なものが多い。1985年のつくば万博の作品もあった。ほとんどが、アクリル絵の具を使って描かれていた。時代的にはパソコンのインフラが揃う前と思われ、つまり手書きだ。なのに、まるで機械のように細部まで緻密に描かれている。
宇宙的・未来的な表現は、NASAなどの宇宙開発にインスパイアされたのかもしれないが、ご本人のイマジネーションに依るところも大きかったようだ。発想力と、それをビジュアルにできる画力は日本人離れしていて、だからこそ海を越え、それも今から30年40年も前に伝わっているのだろう。
長岡は、洋楽アーティストのアルバムジャケットも数多く手掛けている。代表的なのがアース・ウインド&ファイアーで、『太陽神』『黙示録』を筆頭に、このバンドのキャリアのピークとなる作品のジャケットは、この人の手によるものだ。長岡の表現世界を、モーリス・ホワイトが気に入ってのことだろう。実際、展示ではアース関連のアートが最も充実していた。アース以外では、カーペンターズ『Now And Then』、ELO『Out Of The Blue』、ディープ・パープル『パープル・ロール』などを手掛けているとのことだ。
個人的に、長岡を知ったのは、80年代前半の(この展示にはなかったが)映画「銀河鉄道999」のポスターと、テレビでドキュメンタリー「喜太郎&秀星」を観たことがきっかけだった。時間軸的には、ワタシが洋楽を聴きはじめるよりも前になる。アースのジャケットを手掛けていると知ったのは、もっと後になってからだ。
この展示は、12月27日(日)まで開催されています。全展示品撮影OKです。
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