ザ・ビートルズ(The Beatles)「エイト・デイズ・ア・ウィーク – ザ・ツーリング イヤーズ(2016年)」
ビートルズがデビュー前から1966年にライブ活動を止めるまでを中心に描いた映像になり、ロン・ハワードが監督している。
1963年のマンチェスターのライブ映像からスタートし、その後アメリカに進出。記者会見でのおどけた返しや、モハメド・アリのジムを訪れたシーンなどは、かなり貴重だ。もちろん、アメリカだけでなく世界各地を回り、各地を熱狂の渦に落とし込む。デビュー前のキャバーンクラブでのライブも、合間に組み込まれている。
アメリカでの熱狂は聞き知っていたが、本国イギリスでの状況はこの映像で知ったところが多い。地元リバプールのアンフィールドスタジアムでは、男性ファンばかりがビートルズの曲を合唱。若い女の子がキャーキャー騒ぐイメージがある中、異様な光景だった。
1966年の来日公演時の映像もある。ビートルズ撮影を許された唯一の日本人カメラマン、浅井慎平が日本語でコメントしていて、画面には英語の字幕が表示。武道館公演だけでなく、ビートルズ反対運動の街宣車なども確認できる。
ビートルズのライブにおける苦悩は、観客の歓声が大きすぎてセッティングした機材が正しく機能しないこと、自分たちの歌声が聞こえないこと(イヤモニなどない時代だ)、音楽を聴いてもらえていないことなどだった。リンゴ・スターは、前3人の動きを見ておおよその感覚でドラムを叩いていたと言った。そんなこんなで、ツアーをやめたいと最初に言ったのは、ジョージ・ハリスンだったそうだ。
ツアーをやめた後の活動については、駆け足になっている。エンディングが、アップル本社ビル屋上での、いわゆるルーフトップセッション。噂を聞き付けた一般のファンが見上げる中、ジョン・レノンが『Don't Let Me Down』を切々と歌うシーンにエンディングクレジットがかぶる。個人的には、去年ロンドンに旅行した際に訪れた地でもあったが、50年前はこんなだったのかと思うと、感慨深いものがある。
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