フラガール(2006年)
昭和40年の、福島はいわき市。人々の多くは石炭を掘る炭坑夫として働くが、閉山が相次いで職を失う人が増えてくる。この危機を救うべく、レジャー施設「常磐ハワイアンセンター」を建てる構想が持ち上がった。施設で踊るフラダンサーを育てるべく、ハワイでフラダンスを習いSKDでも踊っていた女性を先生として東京から招く。
炭坑で働くいわきの人は、施設の建設を夢のような話だと当然のこと反発。東京から招かれた先生も、ダンスのセンスもない素人を相手に失望し、外部の人間を排除しようとする閉鎖的な街の人々に反感を覚える。両者は水と油のようで、溶け合うことはないかと思われたが、ダンサーたちはそれぞれ事情を抱えながらも徐々に成長を見せ、先生の方も母の借金を背負わされているという弱い面を見せつつ、ダンサーや街の人たちと心が近づくようになる。
先生を松雪泰子、フラダンサーのリーダーを蒼井優、彼女の兄を豊川悦司、2人の母を冨司純子、というのが主なキャスト。いずれも素晴らしい演技を見せているが、中でも松雪泰子は、この役が彼女の代表作になるのではというくらいに突き抜けている。また、フラダンサーの一員に南海キャンディーズのしずちゃんがいるが、今回が女優本格デビューとは思えない味のある演技をしている。この作品は、当時アメリカのアカデミー賞日本代表作品にも決定とのこと。
実話に基づくもので、「常磐ハワイアンセンター」はその名を「スパリゾートハワイアンズ」として、現在も稼動している。松雪泰子が演じたフラダンスの先生のモデルとなった方は、その後もフラダンサーを育て続けていたそうだ。
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