探偵物語
松田優作のテレビドラマの代表作と言えるのが、「探偵物語」だ。しかし、ワタシにとってのこの人はスクリーンの中の俳優で、テレビとなるとほとんど印象がない。「太陽にほえろ!」のジーパン刑事も有名は有名だが、ワタシはリアルタイムではないし、なにより殉職シーンしかイメージが沸かない。とはいえ、テレビで何度目かの再放送がされていたのを全話録画し、観たことがあった。
物語は一話完結で、優作演じる私立探偵の工藤が依頼人から受けた仕事をこなしつつ、警察や街の裏の世界に生きる者たちと絡んでいくというものだ。長身に黒づくめの衣装で一見コワモテだが、そのくせ妙にコミカルな「間」を持っているのが、ここでの優作だ。それが作品としてのテンポのよさにもつながっているように見て取れ、後年模倣されまくっているのもうなずける。永瀬正敏主演の「濱マイク」も、この作品へのオマージュという要素があったのではないか。
そしてびっくりしたのは、あまりにも豪華なゲスト陣だ。第一話に登場する熊谷美由紀は後の夫人だし(恐らくここでの共演がきっかけになったはず)、中尾彬や峰竜太など、挙げたらきりがない。優作主演の映画は、大物が脇を固める傾向が強いが、テレビでもそれは生きていたのだ。
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