*

俺達に墓はない(1979年)

公開日: : 最終更新日:2023/02/12 出演作品

俺達に墓はない(1979年)

刑務所帰りの島はヤクザのノミ屋の金庫を狙うが、なんと金庫を襲撃した先客がいた。島は男(滝田)を追い詰めるが、2人はお互いの腕を認めて手を組むことに。一方、島の弟分ヒコはノミ屋襲撃の際ヤクザにつかまってしまい、滝田を逆恨みする。島と滝田は賭博ツアーのバスを襲って大金を手に入れるが、その後ヒコが滝田を襲い、それを島が押さえるという格好になり、人間関係がどんどん危うくなっていく。

主人公の島を、ヒコを岩城滉一、滝田を志賀勝が演じている。仲間のような敵のような微妙な関係が、徐々に崩れていくさまがよくできている。結局信じられるのは自分だけという、ニヒルでストイックな視点が根底にあるように思う。松田優作の存在感が抜きん出ているのは言わずもがなだが、ただクールでカッコいいだけでなく、コミカルなセリフも随所にあって、そのアンバランスさもいいスパイスだ。

松田優作と岩城滉一は、実年齢は2歳しか変わらないのだが、「人間の証明」と同様、劇中の2人の格差の大きさには戸惑ってしまう。それとも、当時としては自然な位置づけで、その後岩城滉一が力をつけて存在感を増したということなのかな。

関連記事

家族ゲーム(1983年)

4人家族の沼田家は、長男慎一は成績優秀の高校生で、次男茂之は成績が振るわない中学生。茂之は高

記事を読む

陽炎座(1981年)

劇作家の松崎は、品子という女と偶然の出会いを重ね、この不思議な体験をパトロンの玉脇に話す。そ

記事を読む

ア・ホーマンス(1986年)

記憶喪失の男が、大島組と旭会の抗争真っ只中の新宿にバイクでふらっとやってくる。大島組幹部の山

記事を読む

それから(1985年)

明治後期。長井代助は大学を出ても仕事につかず、親の資金によって優雅に暮らしていた。あるとき、

記事を読む

竜馬暗殺(1974年)

坂本竜馬が暗殺される、最後の3日間を独自の解釈で描いた映画だ。 慶応3年。薩長同盟と大

記事を読む

S