*

ルー・リード(Lou Reed)『Lollapalooza Live 2009』

公開日: : 最終更新日:2023/02/09 Lou Reed ,

ルー・リード(Lou Reed)『Lollapalooza Live 2009』

アメリカを代表するフェスティバルのひとつ、ロラパルーザの2009年シカゴにが出演したときの模様を収録したライヴDVDになる。

画面は限りなくモノクロに近いセピア色で、メニューもチャプターもなく、DVDを入れると即演奏がスタート。バンドメンバーは、ギター2人、ベース、ドラム、サックスにエレクトロニクスという、この人にしては大所帯な編成だ。

ライヴは、いつものように『Sweet Jane』で始まるのだが、大所帯バンドによる重厚な演奏は実験的なたたずまいを見せ、ルーを含む3人のギタリストはひたすらリズムを刻むのに徹している。エンタメ性が薄く、不特定多数のファンが観るフェスティバル向けとはとても思えない。が、この人はフェスと単独お使い分ける人ではないと思うし、この時期のスタイルをそのまま実行しているにすぎないと思われる。そして、それはファンにとっては願ってもない展開だ。

中盤、『Paranoia Key of E』の後、ステージにはルー、サックス、エレクトロニクスの「メタル・マシーン・トリオ」編成となり(でもドラマーもいたかな)、15分に渡るノイズインプロヴィゼーションを繰り広げる。場内を異様な緊張感が包む中、やがて他のメンバーがステージに戻り、『I'm Waiting For The Man』へとなだれ込む。この切り替えの瞬間こそが、ライヴのハイライトだ。そして、ラストは必殺の『Walk On The Wild Side』となる。

ルー・リード最後の来日は、2004年のだった。その後も、この人はリタイアもスローダウンもすることなく、ますます実験的になっていて、進化し続けていた。せめてあと1回、ナマでライブを観たかった。

関連記事

ルー・リード(Lou Reed)「ロックンロール・ハート」

タイトルの「ロックンロール・ハート」は、ルーの同名アルバムから引用したもの。そしてその内容は

記事を読む

Lou Reed『A Night With Lou Reed』

Lou Reed『A Night With Lou Reed』

ルー・リードが、1983年2月にニューヨークのライヴハウス「ボトムライン」で行った、ライヴD

記事を読む

レコードコレクターズ、ルー・リード特集号

ルー・リードの死に際し、音楽データベース雑誌レコードコレクターズが追悼特集を組んでいた。

記事を読む

ユリイカ ルー・リード追悼特集

2013年10月27日、日曜の朝に亡くなったルー・リード。文芸雑誌ユリイカが追悼特集号を組ん

記事を読む

ルー・リード(Lou Reed)『Live At Montreux 2000』

ルー・リードのライヴDVD『Live At Montreux 2000』を観た。その名の通り

記事を読む

S