ルー・リード(Lou Reed)『Berlin(DVD)』
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最終更新日:2023/02/09
Lou Reed エルヴィス・コステロ, フジロック, ルー・リード
ルー・リードが1973年にリリースしたアルバム『Berlin』の全曲を、2006年暮れにニュー・ヨークのシアターで演奏。その模様はドキュメンタリー映画として製作されていて、今回DVDで観た。
まず、幕が下りたステージにこの映画の監督(「バスキア」を撮ったジュリアン・シュナーベル)が姿を見せ、さらりとナビゲーションを。やがて幕が開き、ルーとバンドが姿を見せ、演奏も始まる。ベースには現在のルーの参謀的存在であるフェルナンド・ゾーンダース、ドラム、そしてギターは『Berlin』のレコーディングに参加した人だそう。このバンドに加え、ストリングスや管楽器隊、コーラス、子供のコーラス隊なども動員し、『Berlin』の世界観を再構築せんとする。
『Berlin』は、当時はまだ東西を隔てる壁が存在した冷たい質感のある都市における、男女の悲しい出会いと別れを描いた物語だ。登場人物は、キャロライン、ジム、そして「俺」。となるとやはり歌詞が非常に重要で、日本盤では字幕設定で確認できる。そして、キャロラインとジムのイメージ映像がコラージュされ、通常のライヴ演奏を超えた、極上の空間ができあがっている。非常に張り詰めた雰囲気なのだが、ルーは時折笑みを浮かべながらギターを弾き、歌っていた。
『Berlin』のラストナンバーである『Sad Song』で場内の興奮がピークに達したところで、本編が終了。アンコールでは『Candy Says』『Rock Menuet』が披露された後、『Sweet Jane』で締めくくられた。
ボーナス映像はふたつ。まずは、日本バージョンと海外バージョンの予告編。日本バージョンは、過剰すぎるキャッチコピーが連呼されていて、微妙な仕上がりだった。もうひとつは、エルヴィス・コステロが司会を務める番組にルーと監督が出演したときのインタビュー。『Rock Menuet』は、監督のリクエストによって演奏されたことが明かされた。
ルーの最後の来日は、2004年のフジロックグリーンステージのヘッドライナーとしてだ。ワタシは1992年以降この人の来日は欠かさず観てきたが、フジでは最後の方を少し観ただけだった。この人には、巨大野外の舞台よりも、屋根のある密閉された空間の方が断然ライヴ映えすると思っていたからだ。この『Berlin』の映像しかり、ね。
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