ネクスト(2007年)
「自分に直接関係のある」「2分先の未来」が見える能力を持ったクリスは、その能力を隠しラスベガスで二流のマジシャンとして働いていた。ショウを終えるとカジノに行き、毎回稼ぐという具合。カジノの元締めはクリスをマークしていたが、FBI捜査官カリーもクリスの能力に気づいていて、テロによる核攻撃を阻止すべくクリスに協力させるため彼を追っていた。一方でクリスは、夢に現れる女性リズとダイナーにて知り合うことに成功。がしかし、FBIにもテロ組織にも追われるクリスは、リズをも巻き込むことになってしまう。
2分先の未来が見えるというクリスの能力目線で展開するため、いったんは進んだと思っていた話がその前に戻り、危機回避するというのが何度も繰り返され、観ている方は何度もだまされることに。中盤以降、クリスはFBIに捕獲され、リズがテロ組織に捕らえられ、クリスはFBIに協力しながらリズを助け核攻撃を回避させるために奔走する。その中で、2分先しか見えないはずの未来がどんどん先まで読めるようになっていく(2分先の2分先のそのまた2分先・・・という理屈だと思う)。
リズを無事に救出し、テロ組織も倒すことには成功したのだが、その後核爆発が起こってしまい・・・となったところで、なんとFBIに捕獲される前の場面にまで戻ってしまう。なんだ夢オチかよ!と思わずツッコミを入れたくなるが、この後クリスはカリーに自ら協力を申し出たところでおしまい。続編を作らないと収拾つかない状態になってしまった。そしてエンドロールも、前代未聞の下から上へ字幕が上がっていくというものだ。
キャストは、クリスにニコラス・ケイジ、リズはジェシカ・ビール、カリーはジュリアン・ムーア。クリスの理解者である老人をピーター・フォークが演じていたのだが、あまりの老けように観ても気がつかず、後で調べてわかったのだった。原作はフィリップ・k・ディックの『ゴールデン・マン』だが、主人公クリスに予知能力があるという設定以外に共通点はない。原作を大きく膨らませ肉付けしたのが、本作の位置づけだ。
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