ザ・ファン(1996年)
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最終更新日:2020/09/16
ロバート・デ・ニーロ ロバート・デ・ニーロ
ナイフのセールスマンのギルは、離婚し子供とも自由に会えず、やがて会社も解雇されてしまう。そんなギルが熱を入れているのは野球であり、特にサンフランシスコ・ジャイアンツの大ファン。チームには、ボビー・レイバーンが高額な移籍金と共に加入するが、開幕以降スランプに悩まされる。ギルはラジオに電話してはボビーを擁護し、また彼のスランプの一因が、お気に入りの背番号をチームメイトが手放さないためつけられないからだと知る。ギルはそのチームメイトを殺害するが、その直後からボビーが復調。ギルはボビー本人に接近し、息子が溺れそうなところを助けたのをきっかけに、ボビーと親しくなる。
ギルをロバート・デ・ニーロ、ボビーをウェズリー・スナイプス、ラジオDJをエレン・バーキンが演じている。なんと言っても、見所はデ・ニーロのストーカーぶりで、自身は破滅への道を進んでいるのを、落胆するでもなく自虐的になるでもなく、野球とボビーへの偏執ぶりを加速させる1点のみになっている。一方のウェズリー・スナイプスは、不調に悩み、子煩悩の父親でもあり、そしてデ・ニーロに追い詰められていくという、肉体性よりもむしろ内面の描写に注目だ。
野球を題材にした映画は、「メジャーリーグ」「ナチュラル」「さよならゲーム」「フィールド・オブ・ドリームス」などが思い出されるが、これらがいずれも野球そのものが重要な要素になっているのに対し、「ザ・ファン」は野球は舞台でしかないサスペンスホラーだ。しかし、試合のシーンは迫力満点で、さすがはハリウッド映画である。また、ウェズリー・スナイプスは「メジャーリーグ」にも出演している。
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