ユナイテッド93(2006年)
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最終更新日:2021/02/11
911
2001年9月11日にアメリカで起こった、同時多発テロ事件。4機の旅客機がハイジャックされ、2機が世界貿易センターに、1機がペンタゴンに突っ込んだが、残る1機はターゲット(ホワイトハウス)には到達せずに墜落。この残る1機に焦点を当てつつ、テロ事件そのものを描いた作品である。
ボストン発ロス行きのアメリカン11便からの連絡が途絶え、またレーダーからも消えた。その後、テレビのニュースで世界貿易センター北棟に何かが激突したことを伝える。それがアメリカン11便だと判明したのと前後して、今度はユナイテッド175便の連絡が途絶え、センターの南棟に激突。各管制センターや軍司令部では、情報が入り乱れ混乱する中、ニューアーク空港発サンフランシスコ行き「ユナイテッド93便」が、定刻より30分ほど遅れて離陸した。
機内には4人のテロリストが乗客に扮していて、やがて2人が操縦室を乗っ取り、2人が乗客を脅しながら監視。乗客たちは、外部に連絡をしてハイジャックされたことをなんとか伝えようとするが、そこで他のハイジャック機が次々にターゲットに向かって激突したことを知る。自分たちが何かをしなければ、他の機と同じ結果になると悟った乗客たちは、意を決して立ち向かった・・・。
まずユナイテッド93機の中での出来事だが、乗員乗客が全員亡くなっている以上、そこで何が起こったのかは誰にもわからず、ここで描かれているのは推測でしかない。ただ、あの悲惨な事件の中で、その渦中にいた人たちが精一杯生きようとしたというように描いたのは、正しいと思う。そしてもうひとつ、情報と事件の恐怖に振り回された航空管制や軍だが、彼らの危機管理能力や対処能力の稚拙さを指摘するのは簡単だ。しかし、同時に4機もの飛行機がハイジャックされて、それらが自爆テロの道具に使われるなどと、いったいどこの誰が予測できただろう。
こうした恐ろしいことが現実に起こってしまったということは、決して忘れてはいけないと思う。劇場公開時は実際の事件から5年後だが、当時はもう5年ではなくまだ5という感覚だった。映画は本来娯楽であって、観る人を楽しませるべきものであってほしいと思うが、過去に起こった衝撃的な事件を後々に語り継ぐべき媒体としても、機能してほしいと思う。
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