アビス完全版(1989年/1993年)
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最終更新日:2021/05/23
ジェームズ・キャメロン ジェームズ・キャメロン
アメリカの原子力潜水艦が深海で座礁し、現場近くにいた石油採掘の一団が調査と人員救助を引き受けることに。行動を共にする海軍の特殊部隊との軋轢がありながらも、潜水艇で海底に向かう。そして乗組員たちは、海底で異生物に遭遇する。ワタシは89年版をかなり前にテレビで観たことはあるが、完全版でどの場面が追加されたのかは、観ただけでは判別できなかった。ネットして調べたところでは、終盤クライマックスでの異生物が津波を起こすシーン、及び主人公に人間の戦争の映像を見せるシーンが主な箇所だったようだ。
ストーリーは、前半は海洋ホラーっぽく進み、それが終盤で未知との遭遇の海洋版のようなファンタジー色を強めている。それが完全版にてより明確になったのが、地球を汚し戦争で殺し合う人間への警告であり、つまりは反戦映画だったのだ。そして完全版でも89年版でも変わらず軸になっていることがあって、それはエド・ハリス演じる主人公と、メアリー・エリザベス・マスアントニオ演じる妻とが(両者は離婚寸前状態だった)、お互いが死にかけるという極限状態の中で心を通わせる場面であり、その夫婦愛に異生物も心を動かされるのである。
監督はジェームズ・キャメロンで、時期的にはこの後に「ターミネーター2」を世に送り出している。「アビス」では異生物が水を分子レベルで操れる技術をCGで表現していて、これは「ターミネーター2」でのCGを駆使して強いインパクトを残した、T1000を予見させる。
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