機動戦士ガンダム(ファースト・劇場版3部作)
ファーストガンダム劇場版3部作が公開されたのは、1981年から1982年にかけてのこと。なのに改めて見ても、素晴らしい内容だ。それはガンダムやザクを始めとするメカや、人口が増えすぎたためにスペースコロニーに移民するといった時代設定などの、細部にまで渡るこだわりが素晴らしいのはもちろんだが、それ以上にストーリーの展開、つまりは登場人物についての描き方が見事だ。
主人公アムロ・レイは、民間人ながら成り行きでガンダムに乗り、以降ジオンと戦い続けていく中でニュータイプ(意識や認識力が発達し、異常な能力を発揮する人のこと・・・かな)として覚醒していく。幼い頃に別れた母や、戦争のため生き別れになった父とそれぞれ再会するも、もはや一緒に暮らしていた頃には戻れないという現実を突きつけられる。
もう一方の主人公シャア・アズナブルは、父をザビ家に殺され、その復讐を果たすべく素顔を隠してジオンの軍人として戦果を挙げながら、ザビ家打倒を狙う。シャアにもニュータイプとしての兆候があり、それはララァの登場によって、アムロと3者での意識を共存する奇妙な関係に発展していく。シャアの妹セイラはアムロたちと共に戦うが、兄シャアとは敵味方に別れていながら、戦地において断続的に再会する。
ホワイトベースの艦長ブライトは、ニュータイプの出現に対し、距離を置いて見つめる客観的で傍観者的な視点を持つ。他にもカイ、ハヤト、フラウ・ボウ、リュウ、マチルダ、ランバ・ラルなど、実に多くの人物を描いていて、とても書き切れない。そしてラストは、ホワイトベースのマスコット的存在だった3人の子供たちが、ニュータイプの兆候を見せるという形で締めくくっている。
ガンダムが最初にテレビで放送されたとき、ワタシは小学生。劇場公開のときは中学生だった。そのときの自分のことも、ちらちらと思い出した。またアーティストにもガンダム支持者は多いと思われ、はっきりしているところでは、リンプ・ビズキットがツアーでガンダムのステージセットを作ったり、ブン・ブン・サテライツの最新作『Photon』のジャケットには、スペースコロニーが描かれている。
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