機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-
リボンズ・アルマーク率いる人工イノベイター勢力とソレスタル・ビーイング(CB)の戦いから2年が経過した、西暦2314年。廃船になったはずの木星探査船が地球に漂着し、以降、イノベイターに覚醒しつつある人々への脳波干渉や金属生命体の寄生といった、怪現象が頻発する。地球連邦軍は、金属生命体をエルス(ELS)と名づける。
CBはELSの調査を試みるも、先行した連邦軍の部隊はELSによって浸食・壊滅させられてしまう。CBの刹那・F・セイエイも窮地に陥るが、ティエリア・アーデにより救出。しかし、脳にダメージを負って昏睡状態に陥ってしまう。地球連邦軍はELSを敵とみなして総攻撃をかけようとするが、CBはELSとの対話できる可能性を模索する。
ガンダム00は、もともとテレビシリーズとして放送されていた。西暦2307年のファーストシーズン、その5年後のセカンドシーズンと2つのフェーズから成り、何より架空の宇宙世紀ではなく西暦を適用している。地球上の勢力もアメリカ、ヨーロッパ、中東およびロシアのアジア寄り地域の3つの共同体がある(セカンドシーズン後に地球連邦軍に統一)。
イノベイターは、ファーストのニュータイプ、SEEDのコーディネーターにも通ずる進化した人類だが、ヴェーダ(コンピューター)によって人工的に創られた種族だ。セカンドシーズンのラストでリボンズと対決した刹那はナチュラルにイノベイターに進化し、CBの創始者イオリア・シュヘンベルグが理想としたあり方になっている。
ファーストとそこから直結している続編に親しむ身としては、最初はどうにも取っ付きにくかった。主要キャラの多くが似たような顔つきで、誰が誰なのかわからなくなることがあった。また、勢力がいくつもあって、上述のように整理しないとこんがらがることもあった。ただ、情報をうまく把握できれば、こういう世界観もアリと思わせてくれる。
そして本作だが、ある意味ガンダム史上最も冒険している。ガンダムは異星人や怪物との戦いではなく、人間と人間による戦争を描いてきた。ところが今回は、地球外生命体ELSが相手で、しかも人間のような二足歩行の姿ではなく金属にしてアメーバのような液体ボディだ。遭遇時から終盤までは互いに攻撃し合って多くの犠牲が出てしまうが、両者はわかり合うことに成功。「未知との遭遇」を思わせてくれる。
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