東京事変『Hard Disk』
2012年2月の解散から1年後の2013年2月、東京事変はボックス『Hard Disk』を初回限定生産盤としてリリースした。
音源は、事変がリリースしたアルバム『教育』から『深夜枠』までの7枚のほか、アルバム未収録曲を集約した『Recovery Disk』を加えた計CD8枚組になる。このディスクのラスト『Bon Voyage』は2012年解散ツアーのタイトルかつそこで披露された曲で、音源としてはココが初収録だ。アルバムを全て持つ身としては、実質この1曲のためだけに購入した。
CDのほか、USBメモリも同梱。『サービス顔見世篇』の音源と「OB総会の写真」が収まっている。特に後者は、H是都Mと晝海幹音も加わった歴代メンバー勢揃いのショットだ。、H是都Mと伊澤一葉、晝海と浮雲という新旧キーボーディスト、ギタリストが同じ枠に収まっているのはなんだか奇妙な気もするが、豪華さの方が勝っている。また、事変解散後の椎名林檎ソロではH是都Mと浮雲がバンドメンバーとして林檎を支えているので、その予兆だったのかもしれない。
パッケージはアナログサイズで、ブックレットは全アルバム、全シングルのカバーとブックレットの内容が網羅。ジャケットはタイトルまんまで、パソコンに内蔵されているハードディスクだ。このジャケット、購入時からしばらくの間は特になんとも思わなかった。
しかし、大きな意味を帯びていることを後々思い知らされる。
それは、今年2020年2月29日、東京事変の再生ライブ「ニュースフラッシュ」にてだ。
開演時、ステージを覆う幕に「Insidents Tokyo 2004-2012」の文字列が浮かび、続いてこのジャケットがお目見えしてディスクが始動。メンバー5人がログインし、アクセプト(認証OK)。そして、幕が上がると既に5人がスタンバイしており、『新しい文明開化』でライブはスタートした。新型コロナの影響により、ツアーは結局東京2公演しか実施されなかったが、その初日、再生の場に立ち会えたことは光栄の極みだ。
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