16ブロック(2006年)
ニューヨーク。勤務明けで帰途につこうとした刑事ジャックは、上司から仮釈放中の黒人エディを裁判所まで護送する任を引き受けることに。留置所から裁判所までの16ブロックの間に、2人は何者かに狙われる。狙ったのはジャックの同僚フランクらで、エディの証言は刑事の汚職を暴くことになるため、フランクはジャックを説得してエディの引き渡しを迫る。しかしジャックはエディを伴って逃走。フランクは捜査網を張り、ジャックをも危険人物扱いして捕らえようとする。
ジャックは当初、ただエディを護送するだけで、人は簡単に変われないと言っていた。エディが犯罪から足を洗ってケーキ屋になると言っても、相手にしなかった。それが、バスの中で籠城したときに逃がしたはずのエディがまたバスに戻ってきて、チャック・ベリーも強盗から変わったんだと言い放ち、再び2人で逃走する。終盤、ジャックはエディを逃がし、自分が証言台に立つことを決意。実はジャック自身も汚職に噛んでいて、それを公表する勇気がなく、堕落していたのだ。
ラスト、2年の刑を終えたジャックにあるケーキが届く。シアトルで店を開いたエディからで、ケーキには「チャック・ベリー、モーリス・ホワイト、ジャック・モーズリー、人生変わらないことはない」と記されていた。そして店の写真も添えられていて、店名は「エディ&ジャック」となっていた。
ジャックをブルース・ウィリスが演じている。ニューヨークで刑事となると、どうしたって「ダイ・ハード」が頭に浮かんでしまう。しかし、ここでのジャックはマクレーンとは程遠く、足を悪くしアルコール依存症で、勤労意欲の薄いくたびれた刑事になっている。口ヒゲをたくわえているのも、見た目のイメージを変えるのに成功している。中年刑事が徐々に目覚めていくさまは、観る側を引き込むものがある。エディを演じるのはラッパーでもあるモス・デフで、調子いい囚人のようだったのが結果的にかなりの儲け役になっている。
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