地球へ・・・(映画版)
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地球へ・・・
コンピューターに統治された未来の世界。人々は人工的に産み出され、目覚めの日(14歳の誕生日)になると成人検査を受け、不適合者は処分され、適合者もそれ以前の記憶を消去されていた。地球から離れた植民惑星アタラクシアで育ったジョミー・マーキス・シンは、成人検査で不適合者として抹殺されかけるが、特殊能力を備えるミュウに救出される。ミュウは社会からは危険視され、身を隠してひっそりと暮らしてきた。リーダーのソルジャー・ブルーは、ジョミーに後を託して寿命を迎えてしまう。
統治機構の執行機関メンバーズ・エリートのキース・アニアンは、コンピューターに忠実で使命をこなし、ミュウ根絶を目指していた。しかし、成人検査を受けた記憶がなく、またミュウを疎外するならなぜコンピューターはその根本を絶たないのかと考えるようになる。ミュウであることを隠していたマツカを自身のそばに置き、人間社会のあり方と自身の出自に疑問を抱きつつ、ミュウ一団が移住した惑星ナスカでジョミーと対峙する。
ワタシが最初に観たのは1980年公開の映画版で、その後2007年のテレビシリーズを観て、最後に竹宮恵子の原作を読んだ。映画は1時間52分だが、テレビ版や原作を知らずに観ると、特に違和感は感じない。しかし、これらを知った上で改めて観れば、やはり限られた尺の中に収めるためにはしょった描写がいくつもあり、展開が早すぎる印象を受ける。出番がわずかながらも重要な役割を担っていたシロエは、テレビ版ではそれなりに存在感があったが、映画版では出ていたことすら記憶になかった(汗)。
映画版で特筆すべきは、声優陣だろう。ジョミーを井上純一、キースを沖雅也、ソルジャー・ブルーを志垣太郎、ミュウの盲目の占い師フィシスを秋吉久美子、マツカを薬師丸ひろ子、マザーコンピューターを岸田今日子と、主要キャストは俳優が担っている。ムーミンをこなした岸田、「ベルサイユのばら」でアンドレをこなした志垣はさすがの技量で、全く違和感がない。が、ほかの俳優は(昨今のジブリ作品と同様)役と声がどこかずれていて、違和感がある。ただ、秋吉久美子に限っては、そのずれ具合がフィシスが神秘性を帯びるのには効果的に思えた。ジョミーの子トォニイが古谷徹、シロエが神谷明、ジョミーとキースの親友サムが石丸博也、トォニイの母カリナが小山茉実と、主役級が脇を固めていて、かなり豪華な配役だ。
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