AKIRA(アニメ映画版)
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最終更新日:2022/07/26
AKIRA スティーヴン・スピルバーグ
1988年、東京で新型爆弾が爆発。そして2019年、爆心地一帯の荒廃した「旧市街」にて、軍の研究機関から反政府ゲリラによって連れ出された白髪の少年タカシに、金田率いる暴走族の仲間のひとり島鉄雄が衝突。重傷を負った鉄雄だが、しかし事故によって超能力が使えるようになり、性格も以前は気弱だったのが凶暴化してしまう。
鉄雄は、研究機関「ラボ」にいる老人の顔をした少年の超能力者たち「ナンバーズ」からアキラの存在を知って興味を持つ。一方金田は、一時的に反政府ゲリラと共闘して鉄雄の行方を追う。研究機関を預かる大佐もまた、鉄雄の行方を追い、アキラとの接触を阻止せんとする。
マンガの原作は1982年から1990年まで連載されていて、現在はA4の大判サイズの単行本にて6巻までを入手できる。映画公開は1988年夏で、このとき連載は一時中断したそうだ。東京で爆発が起こる時期は、映画では公開日に、原作は連載を開始に合わせている。スケールは原作の方が大きく、映画は時間の制約もあってかダイジェスト的にまとまっていて、設定が結構異なっている。
ミヤコは、原作ではナンバーズのひとりで、終盤は鉄雄やアキラの力を押さえんと立ち向かうが、映画では新興宗教の教祖風にちらっと登場するのみだ。アキラは、原作では実体のある存在だが、映画では脳神経がバラバラに保存されていて、クライマックスで鉄雄を押さえるためにナンバーズたちによって復活する。
ストーリーとしては断然原作だが、しかし、高層ビルが聳え立つネオ東京の景観や、クライマックスで自身をコントロールできなくなって巨大化する鉄雄、そして金田が乗る赤いバイクの疾走などは、紙媒体よりもやはり動画の方が映えている。25年も前の作品だが、今年観ても古臭くなっていないのがすごい。
そしてこの作品、少し前に意外なところで話題になっていた。劇中、2020年に東京でオリンピックが開催されることになっていて、旧市街にオリンピックスタジアムを建設中という描写がある。現実としてそれが決まったのは2013年9月だが、それを原作の1982年の時点で予見していたことになる。こういうの、面白い。
スティーブヴン・スピルバーグの「レディ・プレイヤー1」にて、カーレースの場面でアルテミスが乗っているのは金田のバイクだ。
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