マーズ/六神合体ゴッドマーズ
公開日:
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横山光輝
80年代、「六神合体ゴッドマーズ」というロボットアニメが放送されていた。
いちおうロボットものではあるのだが、主人公の双子の兄マーグが美形にして悲運を辿るという、少女マンガのような側面も併せ持つ。マーグは劇中で亡くなってしまい、そのあまりの人気のため力石徹以来の実際の葬式が行われ、果ては終盤になって生き返ってしまった。ワタシはリアルタイムで観ていたが、今や断片的にしか覚えていない。
この作品にはマンガの原作があって、巨匠横山光輝による「マーズ」だ。アニメは主要メカの名称を引用している以外はほとんど原作との接点はなく、ほぼオリジナルになっている。そしてこの原作、今は売ってしまったがかつては所持していたこともあって、アニメ以上に自分に焼き付いている。
地球を監視し、地球人が危険な存在になったときに止める役割を担って、世界各地に眠っていた異星人。しかし火山活動のため予定より100年早く目覚めてしまったマーズは、自分の役割を認識せず地球人を守る側に立ち、任務を遂行しようとする本来の同胞を次々に倒していく。そして、衝撃のラストが・・・。
手塚治虫は人間のエゴイズムに失望しながらも、最後には救われる幕引きにおさめた作品が多い。しかし横山は、躊躇することなく衝撃のラストを描いてしまった。横山は原作のテーマを「公害」と言っていて、子供よりもむしろ大人を意識して描いたように思う。
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