ファウンテンズ・オブ・ウェイン(Fountains Of Wayne)のアダム・シュレシンジャーさん(Adam Schlesinger)死去
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最終更新日:2024/01/06
追悼
ファウンテンズ・オブ・ウェイン(以下FOW)のベーシスト、アダム・シュレシンジャーさんが4月1日に亡くなった。死因は、新型コロナウイルスによる合併症とのこと。まだ52歳の若さだった。
FOWは、ヴォーカル&ギターのクリス・コリングウッドとアダムさんが中心になってニューヨークで結成された。ジャンルはパワーポップにカテゴライズされることもあるが、個人的にはよりソフトめにあたるギターポップと思って聴いていた。ギターポップといえばUK特にスコットランド発のアーティストが多いが、FOWは少しクールなサウンドのイメージがあった。最も好きなアルバムは、セカンド『Utopia Parkway』。特にタイトル曲と『Denise』は時を越えても古くならず、いつ聴いても心地いい。
アダムさんの活動ぶりは、FOWのみに留まっていなかった。映画音楽を手掛けては、アカデミー賞を受賞していた。タヒチ80のプロデュースをおこない、自身もブルックヴィルというバンドで活動するアンディ・チェイスと組んだ、アイヴィー。ジェームズ・イハ、ハンソンのテイラー・ハンソン、チープ・トリックのバン・E・カルロスと組んだ、ティンテッド・ウィンドウズ(TW)もある。
共通しているのは、アダムさんは決して自らが前に出ることはなく、脇に回ってフロントマンをはじめ他のメンバーを引き立てるポジションに徹していたことだ。FOWならクリス、アイヴィーならフランス人女性ヴォーカルのドミニク、TWではテイラーをだ。バンドを俯瞰で見ているというか、プレーヤーでありながらプロデューサーの素養も備えていたのだろう。
個人的に、この人を何度観ただろうかと思い、調べてみた。
ファウンテンズ・オブ・ウェイン
・1999年 Fuji Rock Festival
・1999年 渋谷Tower Records
・2003年 Club Citta
・2007年 Fuji Rock Festival
・2011年 Fuji Rock Festival
・2012年 NanoーMugen Fes.
アイヴィー
・2000年 Club Quattro
ティンテッド・ウィンドウズ
・2010年 Duo Music Exchange
フェスやイベントで観ていることが多いが、最も印象に残っているのは2003年にクラブチッタで観たFOW単独公演だ。単独と言いつつ、ゲスト多数。ジョンスペのジュダ・バウアーによるバンドや、ホフディランの小宮山雄飛のDJ、メジャーデビュー直前のアジアン・カンフー・ジェネレーションがステージに立った。メインのFOWはアルバム『Welcome Interstate Managers』を引っ提げての来日で、アダムさんはやはりクリスを立てるプレイに徹していた。
多彩な活動をこなしていた、凄まじい才能を持った人だった。52歳での死は、あまりにも早すぎる。まだまだタイムレスな曲をたくさん生み出せたはずだと思うと、残念でならない。謹んで、ご冥福をお祈りいたします。
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