9人の翻訳家 囚われたベストセラー(ネタバレあり)
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最終更新日:2024/05/31
サスペンス パリ, ベネディクト・カンバーバッチ
ベストセラー小説『デダリュス』の続編となる第3作の翻訳が、フランスのとある豪邸の地下でおこなわれることになった。9人の翻訳家たちが集められ、ネットや電話など外部との接触を禁じられ、監禁状態で警備員に見張られながら1人20ページずつ翻訳を進めることに。しかし原稿の冒頭部がネットに流出し、犯人は500万ユーロを要求。原稿を見たのは、9人の翻訳者、出版社社長のエリック、そして原作者オスカル・ブラックだけのはずだ。
エリックは9人の翻訳家たちを疑い、徹底した私物調査を敢行。そうした中、犯人は予告通り次の100ページを流出させてしまう。エリックは翻訳家たちの食事や電気の供給を止め、彼らを精神的にも追い込む。デンマーク語翻訳担当のエレーヌは、首を吊って自殺してしまう。エリックは拳銃を手にして翻訳家たちを手当たり次第に殺そうとし、最初にロシア語翻訳担当のカテリーナが撃たれてしまう。
時間軸が前後することは映画の描写としてはよくあることだが、前半で翻訳作業をおこなう地下室から、突然2か月後の刑務所へと切り替わり、以降何度か行き来される。刑務所で誰かと会話しているのはエリックだが、その相手がわかるのは中盤以降。そして、服役しているのは相手ではなく、実はエリックの方だとわかる。
さまざまな言語が飛び交うが、この映画自体はフランス映画だ。ただし、劇中会話の中心になっているのは英語。各翻訳者たちは、スペイン語、中国語、ギリシャ語、ポルトガル語、ドイツ語、イタリア語、デンマーク語、ロシア語、英語となっている。豪邸の正確な地は不明だが、恐らくパリ市街もしくは郊外と思う。後半の種明かしのところで、パリの地下鉄メトロでエッフェル塔付近を通るのが確認できる。
キャストは、エリックはランベール・ウィルソンという人で、ワタシが観たことがある作品だと『キャットウーマン』で主人公ペイシェンスが務めていた化粧品会社の社長役や、『マトリックス リローデッド』でのメロビンジアンといったところ。有名どころでは、ロシア語翻訳者カテリーナのオルガ・キュリレンコ(『オブリビオン』『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』)、イタリア語翻訳者のリッカルド・スカマルチョ(『ジョン・ウィック:チャプター2』のサンティーノ)かな。
キーマンは若くして英語翻訳家に抜擢されたアレックスで、演じるのはアレックス・ロウザーという人。調べたら、『イミテーションゲーム』でベネディクト・カンバーバッチが演じた主人公アラン・チューリングの少年時代を演じていた人だそうだ。エズラ・ミラーに似た雰囲気がある人で、今後台頭してくるかもしれない。
『ダ・ヴィンチ・コード』などのロバート・ラングドン・シリーズの監禁一斉翻訳という実話に着想を得ていたことが、宣伝文句になっていた。劇中では、このシリーズには何の関係もない。また、エンドロールと同時にで流れ始めた曲は、インターポールの『Untitled』だった。
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