チャンネルガイド-東京事変オフィシャルブック
東京事変唯一のオフィシャルブック『チャンネルガイド』が、バンドが解散した2012年2月29日に発表された。B5版ハードカバー仕様で分厚く重く、持ち運びには適さない。しかし、見応え読み応えは充分すぎるほどある。半分が写真、半分がインタビューという構成だ。
前半は、2011年のツアー「Discovery」の裏側にフォーカス。ライブの構成や展開を細かく記したテキストには各地での裏話があり、ツアー中にライブの映像を全員で確認したとか、浮雲が寝坊して予定していた新幹線に乗れなかったとか、岡山公演では伊澤の父がメンバーを招待して食事したとか、興味深い話題が含まれていた。写真は、ツアーのステージや楽屋でのショットが中心だ。
バンドを支えてきたスタッフのインタビューも、面白かった。機材、照明、音響、スタイリスト、CDジャケットのデザイナーやカメラマンなど、裏方としてバンドを支え続けてきた人たちだ。全員に共通していると言えるのが、事変メンバーの巨大な才能への驚嘆と、音楽に賭ける姿勢へのリスペクトだ。それがまた、彼らのプロとしてのプライドを刺激した。後々林檎の公私共にパートナーとなる、児玉裕一のインタビューも掲載されている。
アーティストがライブ中にバンドメンバーを紹介するとき、併せてスタッフに感謝の意を伝えるのを何度か見たことがある。いろいろ制約があって「スタッフたち」と集約して言わざるをえないのが実情だが、ほんとうは全員の名前を挙げたいのに、それができないもどかしさを感じていたことだろう。今回、椎名林檎と東京事変、この書の制作者は、彼らが具体的に何を考えどう動いていたかというのを、見事に示してくれた。
終盤には、解散についてのメンバー5人のインタビューが掲載されている。解散を決断したのはもちろん林檎で、きっかけは2010年のEMI ROCKSに出演したときとのこと。メンバーには2011年1月に伝え、つまりアルバム『大発見』のレコーディングも、ツアー「Discovery」も、解散ありきで臨んでいたことになる。
ただ、メンバー5人の解散に際したコメントを改めて読むと、とても興味深い。林檎・伊澤・浮雲の3人は、これで何もかもおしまいということでもなく、復活がありうることを示唆する発言があるのだ(このときは願望レベルだったのかもしれないけど)。実際、林檎が紅白に出場したときに、バックが事変だったこともあったしね。
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