アメリ(2001年)
パリのモンマルトルに住むアメリは、元軍医の父親からは心臓が悪いと勘違いされて学校には行かせてもらえず、元教師の母から勉強を教わる。彼女は想像力豊かにはなったが、人との関わり方が不器用になってしまった。
大人になったアメリはひとり暮らしをはじめ、カフェで働きはじめる。その一方、実家にある人形を持ち出して世界旅行をさせてエアメールを父宛に送ったり(CAにお願いしていた)、不倫相手と駆け落ちして亡くなった夫を想い続ける夫人に夫からの手紙を捏造して送ったり、あるいは弟子をいびってばかりの八百屋の店主にいたずらを仕掛けたりしていた。
しかしあるとき、証明写真の機械の下に捨てられた他人の写真を収集するニノを見かけ、アメリは恋心を覚える。
終始淡々としたトーンで話は進み、どちらかといえば地味。アメリは表情に乏しく、口数も少ない。彼女が行動する理由や動機が、よくわからないこともある。ニノとのすれ違いは、それを楽しんでいるのか、それとも自分を出せずにいるのか、どっちだろうと思った。
一方で、彼女による探偵めいた仕掛けは、小粋で痛快で、観ていて微笑ましい。仕掛けは変にずれてややこしくなることもなく、ことごとく成功している。ナレーションもなく彼女による説明のような台詞もなく、描写のみで観る側に伝えている。
アメリは、オドレイ・トトゥ。『ダ・ヴィンチ・コード』ではすっかり大人の女性だったが、ここでは大人のような子供のような不思議なキャラクターを演じている。監督はジャン=ピエール・ジュネという人。観たことがある作品として、『ミック・マック』は作風からして納得だが、『エイリアン4』は驚きだった。
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