007 美しき獲物たち(1985年)
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最終更新日:2023/10/13
ロジャー・ムーア 007シリーズ, クリストファー・ウォーケン, デュラン・デュラン, パリ
ソ連国内でICチップを持ち出したMI6のエージェント003は、ソ連軍に追われるうちに雪山で遭難。007ことジェームズ・ボンドが回収したが、それは核爆発で発せられる電磁波にも耐えられる特殊なチップだった。ボンドは、製造元のゾーリン社を探るべく社長のゾーリンに接近する。
ゾーリンの狙いは、サンフランシスコのシリコンバレーを爆破して産業を独占することだった。また、ゾーリンとその女ボディーガードのメーデーは、KGBの科学者の実験によって生み出された異常発達児であることがわかる。ボンドは、父の会社をゾーリンに乗っ取られた過去を持つステイシーと共に、ゾーリンの企てを防ぐべく奔走する。
ボンドはロジャー・ムーア。ムーアは最も多くボンドを演じている人だが、本作を最後にしている。公開時58歳で、歴代ボンドで最高齢だった。ショーン・コネリーが最後にボンドを演じたときでも、52歳だったそうだ。
「ボンドガール」ステイシーは、タニヤ・ロバーツ。ゾーリンは、クリストファー・ウォーケン。メーデーは、グレイス・ジョーンズ。冷酷な女殺し屋のメーデーは、「キングスマン」でソフィア・ブテラが演じたガゼルのルーツのようにも思える(ゾーリンに裏切られたメーデーは、最後はボンドに協力し身を犠牲にする)。
クリストファー・ウォーケンのキャスティングは、結構ツボだ。「ディア・ハンター」でロシアン・ルーレットに興じる狂気のさまは名演だし、「バットマン・リターンズ」でゴッサムシティを支配せんとする実業家シュレックは、ゾーリンにダブる。どちらも、表向きは紳士的だが、裏の顔はモラルが欠落したサイコパスだ。
決戦の地はサンフランシスコだが、序盤でボンドがゾーリンへの接触を図る舞台はパリだ。ボンドはエッフェル塔内のレストランで探偵と落ち合うが、その探偵はメーデーに暗殺される。逃げるメーデー、追いかけるボンド。メーデーは搭から飛び降り、セーヌ川でボートに乗って逃れることに成功する。
公開当時、作品そのものとは別の話題もあった。デュラン・デュランが主題歌を歌い、これが007の主題歌としてははじめて全米1位になった。PVはエッフェル塔のシーンにメンバー5人をミックスさせ、最後はエッフェル塔が爆発するという幕切れだった。
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