ナンバーガール(Number Girl)『騒やかな演奏(DVD)』
ナンバーガールが2001年にリリースしたDVD『騒やかな演奏』を観た。
ライブ映像なのだが、少し変則的だ。会場は一般のライブハウスではなく、当時所属していたレコード会社である東芝EMIのスタジオだ。観客も30人ほどいることはいるが、ほぼ映らない。
カメラが主に捉えるのはステージ上の4人で、上から見下ろすショットが多い。ドラムのアヒト・イナザワの脇からのフロアを捉えたショットも多く、つまり向井秀徳や田渕ひさ子、中尾憲太郎の背中越しという具合。多くのライブ映像は観客からの目線でアーティストを捉えているが、この映像はバンドの側からが大半だ。
ライティングも、赤やグリーンといった原色が多く、演奏する向井や田渕の表情を染めている。バンドから見てステージ向かって左にはバーカウンターがあって、ブラッド・サースティ・ブッチャーズのドラマーがバーテン役を担っているそうだ。
時折、曲間にメンバーによるコメント映像が挿入されることがある。といっても、4人とも音楽には関係しないことをぼそぼそと話し、気を入れて観ると肩透かしを食らう。
とまあ、実験的に作っている映像ではあるが、肝心のライブそのものは一級品だ。4人いるというより、まるでひとつの生命体のような一体感があり、熱さではなくひんやりとした緊張感を漂わせている。編集効果もあるだろうが、ステージではひたすら演奏に集中・没頭しているように見せている。選曲も結構マニアックで、終盤に『Omoide In My Head』 が来たとき、少しほっとした。
ボーナス映像として、アコースティック演奏が4曲収録されている。ドラムセットの前に向井が腰掛けてアコギを弾き、1曲では中尾、1曲では田渕ひさ子が歌っていた。
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