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ドクター・スリープ(ネタバレ注意)

ドクター・スリープ(ネタバレ注意)

幼少期に雪山のホテルで父ジャックに殺されかけたダン(ダニー)は、大人になっても悪夢にさいなまれ、アルコール中毒症になっていた。カウンセリングに参加したダンは、主宰者の医師の勧めでホスピスで働き、死を迎える患者に寄り添う。患者はダンを「ドクター・スリープ」と呼んだ。

少年少女を殺しては、死の直後に吹き出される白い煙の生気を吸って数100年を生き続ける集団がいた。リーダーのローズは、野球少年を殺害して仲間と生気を分け合うが、強い能力「シャイニング」を持つ少女アブラがそれを感知してダンに知らせる。ダンとアブラはローズの仲間を次々に仕留め、ローズは逆上。ダンは、かつて自分が殺されかけた雪山のホテルに向かい、ローズをおびき寄せる。

スティーブン・キング原作、監督作『シャイニング』の40年後を描いた続編だ。『シャイニング』では、キューブリックは独自の解釈を施し、キングは原作を歪められたとして反発したとされている。ワタシは原作は未読だが、本作は両者の折衷となっているとのことだ。

ローズの仲間が死んだときの描写がゾンビっぽかったり、ダンが酒と女とドラッグに溺れたりする姿は、ある意味「普通」。キューブリックによる芸術的な描写とは程遠いが、いや、そもそもキューブリックと比較されること自体気の毒とも言える。そこで、キューブリックへの大いなるオマージュとして見れば、かなりよくできた作品だ。

前作の映像が随所に、引用されているのがたまらない。BGMも、前作のテイスト継承が見られる。冒頭の空撮も、前作とダブる。終盤クライマックスでは、迷路の庭、かつて殺された双子の少女、エレベーターから溢れ出る血の洪水、バーカウンターなど。そしてそれらは、今回のダンとローズの対峙などにだぶらせてもいる。ワタシは劇場に行く前日に『シャイニング』を観直したので、あのシーンこのシーンと、ツボに入りまくりだった。

前作では、あまり触れられなかった点への補完もされている。その最たるがダンやアブラが持つ超能力「シャイニング」で、今回ダンやアブラは意図的に能力を駆使している。また、前作ではジャックが狂ってしまった要因がはっきりしていないが、今回はホテルが追い込み仕向けたことを明確にしている。

キャストは、ダンに。ローズにレベッカ・ファーガソン(『ミッション:インポッシブル』直近2作でのMI6スパイのイルサ)。カウンセリングの医師は、出番は少なかったが(『スター・トレック』シリーズで主人公カークの師パイク)だった。監督はマイク・フラガナンという人だ。

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