U2ファイル
u2に関する本はいくつか出版されていて、ワタシも何冊か読んでいる。それらの中で決定的と思えるのが、『U2 FILE』だ。
3,000円オーバーと値段はちと張るが、その内容は驚愕ものだ。まずはデータ面が充実している。『How To Dismantle An Atomic Bomb』までのアルバムやシングル、サントラ、ビデオ作品、カヴァー作品などを網羅したディスコグラフィー。要所での代表的な公演のセットリストを含む、デビューから2004年までの完全ツアーリスト。これらを読むだけでも、U2のこれまでの活動ぶりが手にとるようにわかる。
関係者へのインタビューも、かゆいところに手が届く徹底ぶりを見せる。アイルランドという国や国民が持つ気質とロックについて語ってくれた、アイルランド大使館の参事官。iPodのCMでU2と仕事をした、広告業界の人。パッセンジャーズ名義のアルバムにHoliとして参加している、小林明子(『恋におちて』を歌っていた人)。2002年のスーパーボウルに取材に行き、ボノとのインタビューにも成功した、俳優の別所哲也。など、いずれも貴重な証言をし、もちろんU2に対する愛情の深さも垣間見ることができる。
日本との関連もフォローしていて、テレビ番組への出演の様子について触れられているほか、83年の初来日時に撮影されたと思われる、珍しい写真も掲載されている。西新宿の高層ビル群をバックにした4人や、たまたま居合わせた?老人と一緒にベンチに腰掛けている写真など、今やビッグになってしまったU2からは考えられないような、若き4人の貴重なショットに和ませられる。
惜しむらくは、出版が2005年3月で、それから14年が経過した今となっては、最新とも完全とも言えなくなっていることだ。ワタシは未読だが、クロスビートスペシャルエディションが後継なのかな。
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