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細野晴臣50周年記念特別公演@東京国際フォーラム ホールA

公開日: : 最終更新日:2021/11/21 細野晴臣

細野晴臣50周年記念特別公演@東京国際フォーラム ホールA

入場時にもらった冊子一式の中に、この日と翌日公演についてのフライヤーが入っていた。各日出演するアーティストたちを紹介しているのだが、なんとこの日のセットリストが掲載されていた。

ほぼ定刻に客電が落ち、まずはバンドメンバー4人だけで演奏開始。インストで、セットリストによると『銀河鉄道の夜』サントラの曲のようだ。演奏が終わるくらいに、その人登場。セミアコを抱え、歌い始める。

細野はグレーのスーツにインナーには深紅のタートルネックを。見た目はおじいちゃんだが、椅子に腰掛けることもなく、直立しマイクスタンドを前にして歌いながらセミアコを弾く。調子もよさそうだ。

MCも豊富。海外ツアーをしたのが半年前だが、つい最近のことのように感じていること。今年50周年で、来年は休めるかなと思っていたら、海外からオファーがあったので引き続き活動すること。いろんな名言を目にするがすぐ忘れてしまって、最近見て覚えているのがローランドの「男には2種類、オレとオレ以外」だったとか。ゆる~い雰囲気だが、それがグダグダにならないところが、この人の懐の深さだ。

中盤でゲスト登場。Reiという女性シンガーソングライターで、細野のラジオ番組で共演をオファーされたとか。1曲は細野と共演、もう1曲は細野もバンドも捌けてこの人のソロになり、セミアコを激しくかき鳴らしながら英語詩で歌い上げていた。一瞬、クリーム『I'm So Glad』のリフを組み込んでいたように聞こえたが、気のせいだったかも。

バンドは4名。キーボード/アコーディオン野村卓史、ドラム元サケロック伊藤大地、ベース伊賀航、ギター高田漣。4人とも、どこかしらで必ずソロを披露し、腕利きであることを伺わせた。伊賀と高田は来年で15年になるそうで、現在の細野の活動を共にしてきた忠臣だ。個人的に、細野の次に注目したのが高田で、ストラトだけでなく2段になったラップスティールを駆使し、マンドリンやバンジョーまでこなしていた。

曲調そして雰囲気としては、古きよき時代の音楽のようであり、トロピカル期に通ずる無国籍風のようでもあり、かなり独特。しかし古臭くはなく、むしろ新鮮な音として鳴っている。ステージには装飾はなく、ライティングも最低限に留まっていて、1曲だけ大きなミラーボールが降りてきて、きらびやかな光を発する演出があった。

終盤では『Sports Men』を、しかし原曲とは異なるトロピカルなアレンジでの演奏に。そして本編ラストでは、ブギウギピアニストという斉藤圭土が加わった。アンコールでは、「やっぱりやらなくっちゃね」という細野のMCで『北京ダック』『Pom Pom 蒸気』を。自身の演奏を終えると細野はひと足先にステージを後にし、バンドだけの演奏がひとしきり続いて幕となった。

セットリスト(フライヤーより)
細野晴臣セットリスト2019年11月30日

ライブの冒頭、細野はこの日のライブを「総決算」だと言っていた。今年のツアーの最終であり、また50周年に掛かるさまざまなイベントの終着点という意味だろうか。となると、翌日のはフィギュアスケートで言うエキシビション的な位置付けになるのかな。

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