U2『The Best Of 1990-2000』
u2のベストはCDも映像も数種類出ているのだが、映像版の『1990 – 2000』を観た。内容はタイトルにある11年の間の全PVを網羅したもので、作品で言うと『Achtung Baby』から『All That You Can't Leave Behind』までということになる。
U2は、80年代においてスターダムにのし上がった一方でシリアスな正統派というイメージが定着してしまい、90年代はその払拭から始まった。『Achtung Baby』からは電脳路線に突入し、『The Fly』『Zoo Station』はその象徴となった。続く『Zooropa』でその路線は更に進み、『Pop』にて結実。『All That You Can't Leave Behind』では、こうした試行を経て更にひと回り大きくなった形で以前の路線に立ち戻っている。
がしかし、この映像版では曲が年代順に並べられていないために、そうしたバンドの歩みを意識させられることは少ない。ではどうなっているのかというと、個々のPVにおけるU2の映像に対するこだわりが掘り下げられているという格好なのだ。同じ曲でも複数のPVが存在する場合があり、またそのPVを監督した人が撮影の様子などをコメントしている。ショート・ドキュメンタリーという映像もあって、ポップマートツアーでサラエボを訪れたときの様子などが、克明に収められている。
この作品を観て思うのは、U2がその音楽と同様に映像に関してもかなりのこだわりを以って臨んでいることだ。そしてこれらを惜しげもなく商品化してくれていることに、ファンとしてはたまらない喜びを感じている。
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