U2『Zoo TV Tour Live From Sydney』
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最終更新日:2023/02/12
DVD・映像 U2, ピンク・フロイド, ルー・リード, ローリング・ストーンズ
u2がアルバム『Achtung Baby』『Zooropa』に伴うZoo TVツアーより、93年のシドニー公演を収録したDVDを観た。
大小さまざまな大きさのテレビが鎮座するステージセットにて、『Zoo Station』『The Fly』と、エレクトリックに大きく寄った曲で幕開け。前半は、当時の新譜『Achtung Baby』からの曲で固め、それまでのクリーンなイメージと真逆の方向に行かんとするようだ。中盤には、アリーナに突き出した花道の先にあるセンターステージでの演奏があり、ルー・リード『Satellite Of Love』をカヴァー。スクリーンにルーの顔が浮かび、ルーの声が流れる。
終盤は『Where The Streets Have No Name』『Pride』と、かつてのU2に収まったかと思わせるが、アンコールでそれは再び打ち砕かれる。ボノは白塗りのメイクをし、角をつけ、ゴールドのド派手なスーツをまとい、そして電話。このツアー、各地で会場から電話したのも話題のひとつで、全米ツアー中にはホワイトハウスに何度もかけていた。ココではタクシー会社にかけていたが、間違い電話と思われすぐ切られてしまった。オーラスは『Love Is Blindness』、そして客出しのSEとしてエルヴィス・プレスリーの『Can't Help Falling In Love』が流れた。
ボーナスディスクは、『Mysterious Ways』でボノが女性客をあげてハンディカメラで自分を撮影させたり、シャンパンをぶちまけたりするシーンを収録。また、『Numb』のカラオケ、ツアードキュメンタリー、ファンがカメラに向かって行う懺悔など。実は、「Zoo TV Remix」なる特番が制作されていて、各国で放送されていた(日本ではWOWOWにて放送)。その映像が大半だったと思う。また、ドキュメンタリーを最後まで観ると隠し映像にたどり着くことができて、前半はPVを使ったバンドヒストリー、後半が『Achtung Baby』の制作ウラ話になっていた。
このツアーは、実は日本が最終公演だった。東京ドームで2公演が行われ、ワタシはその初日を観た。ワタシにとっての初U2だった(電話の相手は、当時横綱の曙だった)。シドニー公演は日本公演の直前に行われていて、そればかりか、日本公演終了後まもなくWOWOWで放送された。生ライヴをすぐさま追体験できて、WOWOWすげーと思った記憶がある。
それにしても、このツアーはすごい。スタジアムライヴの先駆者はローリング・ストーンズ、大掛かりなセットを組んだ先駆者はピンク・フロイドだ。U2は、このツアーで両者のライヴを包含し、かつ凌駕したとも言える。テクノロジーを大胆に導入し、産業化したロックへの風刺的なアプローチをこの規模でやり、かと思えば花道やセンターステージでオーディエンスとの距離を縮めようともした。これらをいっぺんにやったのは、今もってU2くらいだと思う。
実は、このDVDは現在廃盤になっている。中古では入手可能だが、『Achtung Baby Super Deluxe Edition』には収録曲が微妙に異なるDVDが同梱されている。
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